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陽だまりの詩
【純愛 恋愛小説】

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陽だまりの詩 12-3

「いつから具合悪いんですか?」
「風邪の兆候があったのは二週間前くらいかな。風邪なんてめったにひかないから油断してた」
「もう!だめですよ?具合が悪かったらすぐに対処しないと」
うわ、奏が少し恐い。
「奏はいじけてるのよねー」
「?」
キッチンから美沙の馬鹿にしたような声が聞こえる。
「もうずっと兄貴が会いに来てくれてないからね」
「そういえば、仕事も忙しくて疲れが溜まってたからあまり顔出せてなかったな」
だから俺が知らない間にここまで歩けるようになったのか。
「奏ったら今日の朝一番にあたしのところに来て、春陽さんはどうかされたんですかー、って」
「も、もういいじゃないですかー」
奏も顔を赤くして美沙を制止している。
「あはは、部屋に行こうかって言ったときの、奏の焦りっぷりが可愛かったからついね」
「……もー」
きっとすごく可愛かったんだろうな。
すると突然、俺の額にタオルが乗せられる。
「おー気持ちいい、奏ありがとう」
「いっ、いえいえ」
奏はさっきの話で動揺しているのか、顔が赤いまま目を泳がせて言った。
「奏、手伝って」
美沙が奏を呼ぶ。
「あっ、はーい」
奏はゆっくりと杖を立てて立ち上がり、ゆっくりとキッチンへ向かった。
「兄貴、すこし寝てていいよ」
どうやら二人して何かを作ってくれているようだ。
「おう」
それだけ言うと、俺は急速に眠りについていった。


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