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ねこ♪ネコ♪小猫♪
【学園物 官能小説】

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ねこ♪ネコ♪小猫♪2-3

そんな時、初めての彼女が出来た。同じ高校の優しい笑顔の女の子だった。
告白された時のニッコリ微笑んだ笑顔。その笑顔を見た時、『この子なら本当の俺をわかってくれる。』と思った。
そして縋る様に俺は彼女に溺れて行った。柔らかい身体に包まれる度に息苦しさから開放される。俺は幸福でたまらなかった。

しかし、その幸福は続かない。彼女が友達に話した、たった一言で。

「いい男と付き合うのがいい女の条件でしょ?いい男と付き合えば私のレベルも上がるじゃない。その点『優人』は完璧よぉ。顔も・頭も・カラダもね。」

足元から轟音を立て、何かが崩れていった。結局、彼女も俺の中身を見ていなかった。

自分の為に俺と付き合う。
自分をより良く見せる為に俺の隣にいる。

彼女に縋り、救われていた自分に腹が立つ。

もう、誰にもわかってもらえなくてもいい!!

所詮、人は自分の事しか考えていない。先生やクラスメイトや彼女でさえ。

そして俺は決心した。

感情を外に出さず、悪態は心の中でし、『微笑み』を決して外さぬ事を。

そんな『微笑み』を楠は見破り「意地悪な笑顔の方が俺らしい」と言ってくれた。
じんわり胸の中が熱くなる。
誰かを思って心が熱くなるなんて久しぶりだ。
大丈夫だ。楠はアイツと違う…。絶対に。


講義を終え大学を出て、駅に向かっていると、後ろから誰かが走ってくる。
「小坂くん…。小坂くん、待って…。」
振り返ると、そこに若山がいた。
「あれ?若山さん。どうしかしました?」
微笑んで答えると、若山は俺の顔を見た途端、顔をボッと赤く染め、「あのっ…。そのっ…。」と言いながら下を向いてしまった。
この状況は非常にヤバイ。
特に、学食での若山の奇行を見ていた奴は、たくさんいるはずだ。
案の定、「おぉ。告白かぁ?小坂モテるなぁ。」なんて小声で話しながら誰かが通り過ぎる。
若山は顔をまだ真っ赤にして俯いたままだ。
「えっと…。若山さん?」
俺の声に反応し、やっと顔を上げ声を出す。
「ネコの事で話があるの。だから……。」
えっ?楠の事?
若山が息を飲むのがわかる。次の瞬間、大声で、
「付き合って下さい!」
…若山…。誤解されるって…。


駅を挟んで大学とは反体側にある喫茶店に俺と若山はいた。
「へぇ。こんな所にこんな店あったんだ。」
若山は店内をキョロキョロ見ている。若山はアイス・オレを俺はアイス・コーヒーを注文した。
ローテーブルと坐り心地の良い椅子、落ち着いた照明とジャズの音楽でリラックスさせてくれるこの店は俺の隠れ家だ。年配の社会人が好みそうなこの店に大学生なんて、まず入らないだろう。
楠に教える前に若山と来てしまったのは正直嫌だったが、あの状況じゃ仕方がない。もしも二人で大学側のコーヒーショップチェーン店にいる所を見られたら、たちまち良からぬ噂が立ってしまう。


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