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ねこ♪ネコ♪小猫♪
【学園物 官能小説】

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ねこ♪ネコ♪小猫♪2-10

水曜日の昼。
「「ご迷惑をおかけしました。」」
俺と楠は二人揃って若山の前に座り頭を下げた。若山の前には海鮮焼きそばのセット、玉子スープ付きと1日限定30個の学食名物『スペシャルプリン』が鎮座している。どちらも、俺と楠からの奢りだ。なんでも楠の話だと、迷惑をかけるとお詫びを相手に贈るのが二人の決まり事らしい。
「いいよ。二人ともちゃんと恋人になったんだし、それに今日は『幻のプリン』もあるしね。」
若山はニコニコしながら俺達を見ていたが、ため息を付くと愚痴をこぼし出した。
「それより聞いてよ…。私、朝からいろんな子に質問攻めで、ぐったりなんだけど…。」
「へっ?どんな?」
楠が聞き返すと、若山は俺の方を見て、
「小坂くんと私が付き合っているのか?って。」
楠はびっくりして俺と若山の顔を見ている。
「楠、誤解だから。」
俺が弁解すると、楠は確認してくる。
「そうなの?」
「大体、若山さんがあんな所で『付き合って下さい。』なんて言うからですよ。」
「えっ?」
楠は今度は若山の方を見る。
「ネコ。違うから。私は小坂くんに話があって、それで『付き合って欲しい』って言っただけだから。大体、なんであれを告白と勘違いするかなぁ?」
充分、勘違いするだろ!
「『人の噂も七十五日』って言うけど二ヶ月以上否定するのもしんどいわ…。」
若山は両肩を落とし、げんなりしていた。
「それなら大丈夫ですよ。今日、新しい噂が立ちますから…。」
俺がそう言うと二人は俺の顔を見る。俺は隣の楠に指で近くに来る様に呼び、楠の頬に手を当てた。案の定、楠はゆっくり目を閉じる。俺は楠の唇に長めのキスをした。
ガタガタガタ!
若山が大きな音を立てて立ち上がる。途端に回りから「キャー!」と言う声や「おぉ!」と言う声があがった。
楠と唇を離し、若山の顔を見て、
「これで大丈夫ですよ。」
と言うが、若山は口をパクパクさせて何か言いたそうだが声にならない様だ。
そんな若山を見て楠は笑い出した。
「…ぷっ。くくくくっ。志穂っ。可笑しい。くくくくっ。」
俺もつられて笑い出す。
「クックククッ。確かに…。」
若山は怒りに顔を真っ赤にして叫んだ。
「人前でキスするなぁ!!馬鹿ネコ!馬鹿小坂ぁ!!」
若山の大声に反応する様に、学食の中がさらに騒いだが気にならなかった。
隣にいる小さな女の子は俺の中身をちゃんと見ていてくれるから…。
「これからもよろしく。楠 峰子さん。」
楠はちょっと驚いた顔をしたけど、笑顔で言ってくれた。
「こちらこそ、よろしく。小坂 優人さん。」

これから本当の俺達が始まるんだ。


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