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ねこ♪ネコ♪小猫♪
【学園物 官能小説】

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ねこ♪ネコ♪小猫♪-7

私は携帯画面に表示されている『小坂 優人』の名前を見て呟いた。
「友達か…。」
7年振りの男友達。
喜んでいいはずなのに素直に喜べないのは、『面』の様な微笑みと、耳元に囁かれた言葉だった。
『あの時だけ、口調が違ってた。』
得体の知れない嫌な感じに、背筋をゾクッとさせながら立ち上がる。

ふと、窓の外を見ると志穂と出会った時の様に、夏に向けて木々の緑がキラキラと輝いてた。
『やっぱり綺麗だな。』

そんな私をじっと見つめている視線に気がつかず、私は学食を後にした。
講義を全て終え校舎を出ようとした時、突然、後ろから声をかけられた。
「あっ!楠さん!今、帰りですか?」
振り返ると、そこには先週友達になったばかりの『小坂 優人』が両手に資料を抱えて立っていた。
「うん。そう。小坂はまだ帰らないの?」
なんとなく小坂と話すのは嫌だったけど、一応、聞いてみる。
「えぇ。教授の手伝いで、この資料を第3資料室に返しに行かないといけないんですよ。」
そう言うと小坂は「よっ。」資料浮かせて持ち直した。

バサバサッ

バランスを崩した資料が床に落ちる。持っている資料を片手と顎で支えて拾おうとする小坂に、
「手伝う。」
とだけ言って落ちた資料を拾った。
「ありがとうございます。」
小坂の『面』の様な微笑み。背筋にゾクッと寒気が走るが、二人並んで第3資料室に向かった。

第3資料室は図書室棟の3階の奥にあり、人の出入りがほとんどない。
1・2階の図書室はまだ学生がいてざわつきがあるのに、階数が1つ違うだけでこんなに静かだなんて驚いてしまった。
何となく、嫌な感じがする。このまま行ったら帰って来れないような…。
けれど、自分から手伝うと言った手前、後には引けず小坂と一緒に資料室に向かう。

資料室に着くと小坂が、
「すみません。楠さん。ちょっと重いかもしれませんが、こちらの資料も持って頂けますか?」
と聞いてきた?私が「えっ?」という顔をすると、
「鍵がズボンのポケットにあるので…。」
『あぁ〜。なるほど。』
納得してうなづいた。
「重いですから気をつけて下さいね。」
私に向き直り上体を倒してくる小坂。覆いかぶさる様な行動に思わずドキッとする。小坂は私の資料の上に自分の資料を重ねると、
「いいですか?手を離しますよ?」
と声をかけてくる。私は小坂の顔が何故か見れなくて、俯いたまま頷いた。頷いたのを確認すると小坂はゆっくり、手を離す。
次の瞬間、私のピンッと伸びた腕の内側を、小坂の指がスススッと撫でた。

『えっ?!何?いまの?』

動揺している私を余所に、小坂は鍵を開け、ドアを支えながら「足元に気をつけて」と中に入る様、促す。

資料室の中の空気は淀んでた。眉間にシワを寄せて、淀んだ空気に気を取られていると、後ろで『バタンッ』とドアが閉まる音がする。
『えっ?』
思わず振り返ると
「何か?」
小坂が聞いてきた。ドアを閉める事が当たり前の事だという様な態度。私は、
「別に…。」
としか答えられない。


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