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ねこ♪ネコ♪小猫♪
【学園物 官能小説】

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ねこ♪ネコ♪小猫♪-3

それから小坂は友達になるんだからと言い、私の携帯電話を貸すよう要求した。
仕方なく渡すと2つの携帯を操り、赤外線受信が完了した携帯を返しながら、またニッコリ微笑んで言った。
「これでもう友達ですね。あっ、僕はもう帰りますから。それじゃ月曜日に大学で。」

私は返事をしなかった。いや、出来なかった。小坂の会話に違和感を感じ、微笑みに嫌悪感を感じたから。
特に笑顔は薄気味悪かった。造った笑顔。まるで形が変わらない『面』の様な微笑み。なんだか背筋がゾッとした。
小坂は私が何も言わない事を気にするでもなく、出口へと向かう。
同じテーブルにいたセクシーなお姉さんが「待ってよぉ。ユウトォ。」と言いながら追い掛けて行った。

二人が『クローバー』を出るのを確認して、諸悪の根源たる志穂を見る。志穂はテーブルに片頬を付けたまま、
「ネコの負けぇ〜。」
と指差した。
『誰のせいだよ!志穂のせいだろ!!禁酒しろ!禁酒!!この酔っ払いぃ!!』
言いたい事はたくさんある。でも、こんなに酔う理由も知ってる。言いたい事を飲み込んで。代わりに、
「さぁ。お家に帰りましょうね。お嬢様。」
と、言った。


「つっ。疲れたぁ。」
ドタァ〜っと音を立てて家の玄関になだれ込む。153cmの私が酔って眠った160cmプラスヒールの高さの志穂を担ぐように支えながら歩くのは重労働だ。
荒い息を整えながら隣を見ると、目元にうっすらと涙を浮かべながら寝ている志穂の顔があった。

志穂は『クローバー』を出てからご機嫌で、千鳥足ながらも「ネッコの負けぇ〜♪ネッコの負けぇ〜♪」と繰り返してコインパーキングまで歩いたが、これから乗る車を見ると、途端に機嫌が悪くなった。

「何?コレ。」
志穂は座席が2つしか無い白い車を指差してムッとした声で聞いてくる。
「あっ。家の車、兄貴が使っててさぁ。軽トラしか無くてコレで来た。」
ドアの鍵を開けながら答えると、志穂はブルブル震えながら大声を上げる。
「はぁ?!コレに乗れって?!まさか本気で言ってんじゃないよね?私を10分も待たせておいて軽トラァ?今すぐ代えてきて!車!代えてきて!!」
『あぁ。やっぱ遅刻したの気付いてたんだ。』
志穂の酒癖、第二弾。『怒り上戸』発動…。

「軽トラだって、立派な車だって。あんまり嫌わないでよ。コイツが傷付くじゃん。」
サイドミラーを撫でながら答えると、その態度が気に入らなかったらしく、志穂は怒り全開で突っ掛かってくる。
「うるっさい!私は軽トラなんて乗らないのっ!今すぐ車代えてきて!絶対!絶対!乗らないっ!!」
あまりに大きな声を出した為か、志穂はフラフラしながらも、こちらを睨むのを止めない。
いい加減、面倒臭くなってきた私は、
「じゃあ、乗らなくていいよ。」
と言い、運転席に乗り込んだ。
『まったく。クラッチ操作も結構、上手くなったんだぞ。エンストもしなくなったし…。』
はぁ〜っとため息を付き、軽トラのエンジンをかける。
すると外から泣き声が聞こえてきた。
運転席から助手席のドアを開けるとハッキリ泣き声が聞こえる。
「うぅぅっ…。置いてかないでぇ。うっぐっ。のっ、乗るからぁ。置いてかないでぇぇ〜。うぅぅぅ〜。」
あぁ。志穂の酒癖、最終章『泣き上戸』…発動…。
大きなクリクリの目から大粒の涙が零れている。
さすがにチョットやり過ぎたかな?と反省し、今日一番の優しい声で、
「ほら。早く乗って。」
と声をかけ、身体を運転席に戻した。
志穂は何回も頷いて、助手席に乗り込む。
「じゃ。行くよ。」
志穂に声をかけ、そして軽トラにもハンドルを軽く叩いて「よろしく頼むね。」と声をかけて我が家へ向かった。
しばらくすると、志穂は寝息をたててスヤスヤ眠っており、その眠りは家に着いても醒めることはなかった。


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