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ねこ♪ネコ♪小猫♪
【学園物 官能小説】

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ねこ♪ネコ♪小猫♪-2

『ヒィ〜〜〜!!』

CLUB音楽の大音量の中、私達の周りだけはシーンと静まり返る。

「すっ、すみません!」

体を直角に曲げて、私はすぐ謝まるが、かかった人から返答が無い。

『ヒィ。相当、怒ってる。』

頭を下げたまま、もう一度、大きな声で謝る。

「本当にすみません!!」

またしても返答が無い。
さすがに違和感を感じ、体を曲げたまま、首を捻ってそぉぉっと見上げると、その人とバッチリ目が合った。

志穂のカクテルを頭から被ったのは男の人だった。
長めの前髪の下には切れ長の一重。すっと通った鼻筋に薄い唇。はっきり言って美形。美男子だ。
なにより印象なのは黒目がかった瞳。まるで深い海の様で、吸い込まれたら落ちるばかりで二度と出てこれない気がした。

心の中で警報が鳴った!

『コイツに近づくな!!』

CLUBのスタッフがタオルを持って、被害にあった美男子へ「大丈夫ですか?」と声をかける。美男子は少し微笑んで掌をスタッフにかざして「大丈夫」というジェスチャーをすると、タオルで濡れた所を拭き始めた。

前髪からカクテルの雫が落ちる。私は我に帰り、再度、顔の位置を戻して謝る。

「本当に!すみませんでした!!」

すると彼の口から初めて言葉が出て来た。
「君、楠 峰子(クスノキ ミネコ)さんだよね?で、そちらが若山 志穂(ワカヤマ シホ)さん…。」
名前を呼ばれてビクッ!とする。
『なっ!何で?!名前、知ってんだ?コイツ…。』
思わず首を捻ってソイツの見上げる。目が合ったソイツは上体を前に倒し、私の耳元で
「首、辛くねぇ?」
と囁いた。
ビクッ!として囁かれた耳に手を当て飛びのき、ソイツを睨む。
『なっ何?コイツ!』
ソイツはフッと微笑むと
「そんな恐い目で見ないでくれますか?それから、コレ気にしないでいいですよ。」
と濡れた所を指す。
「そんな訳には!せめてクリーニング代だけでも!」
「うぅ〜ん。お金で解決ってのも…。『金さえ払えば』みたいで気分悪いですし…。」
ただ『悪いから。』と思っただけなのに、そんな風に言われるなんて心外だ。
「別にそんなつもりじゃっ…。じゃあ、私で出来る事があれば何でも言って下さい。」
ソイツは顎を親指と人差し指で挟んでしばらく考えると、何やら思い付いたらしく、チラッと私を見てからニッコリ微笑んで、一言。
「じゃあ。僕と友達になって下さい。」

きっと間抜けな顔をしてたんだと思う。ソイツは可笑しいのを堪えるように自己紹介を始めた。
「ッ…。お、同じ大学の小坂 優人(コサカ ユウト)です。ヨロシク。」


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