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無味乾燥
【ショートショート その他小説】

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『晴れ時々曇り、のち雨』-5

『アメ〜Regret and Rainbow〜』


『気温10℃。降水確率20%。曇り空になるでしょう』

朝の天気予報を思い出し、自嘲した。なんてくだらないものを信じてしまっだろう、と。だが、それを信じなければ暮らしていけないというのは、知っている。

 傘もないオレに、ざあ、ざあと雨が降り注ぐ。びしょ濡れになりながらも、着ているスーツが水で重たくなっても、一歩ずつ踏み出す。

『なにをやってるんだッ!! 何ヶ月この仕事をやってきたんだ!!』

上司の怒声がオレを貫く。やってはいけないミスをした。慣れないように、初心を忘れないように、心掛けてきたつもりが、いつの間にか会社と仕事に慣れてしまった。

雨が降る中、俯いて歩く。後悔していた。いや、過去形ではなく、進行形で後悔している。

だが、立ち止まってばかりではいけない。

俯いてばかりではいけない。

顔を上げて、前を向いて進んでいこう。

雨上がりには、虹が架かるように

傷ついたあとには、心が強くなるのだから……

END


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