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秘書の恋
【OL/お姉さん 官能小説】

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第3会議室…3-8

「な、何で禁句なんですか…?
指輪まで、してるのにっ…」

「ああ。

星野が営業部で仕事する前の話だし、一部の人間しか知らないのは確かだろうな。

2年くらい前に、結婚を約束して付き合っている人がいたんだが病気で亡くなったんだよ。
そのとき、会社を辞めるかと思ったくらい精神的にまいってた。
周りには気づかれないようにしてたみたいだがな…
指輪はそのときのものをずっとつけてるんだろう。
彼女がいる、なんていうのはその指輪を長い間つけてるから噂になっただけの話だと思う」

「…そうね、あのときの橋本部長は見てられなかったわ。
特に面識があったわけではなかったけど、見ててわかるくらいだったわね。

彼女が亡くなったってことを周りに言わなかったから、彼女がいるってことになってるのもそのせいだと思うけど…」


『抵抗するなら抵抗しろ。
こんな憎い相手に犯されたくないなら』

あなたは…何であたしにあんなことを言ったの…?

「ねぇ、星野…

多分橋本部長も星野のこと好きだったんじゃないのかな…
ってあたしは思うんだけど、思い当たる節はないの?」

「え…」

「まあ、さっきの話を聞く限りだとそうだな。
多分ただの性処理ではないだろう。
自らレイプしたことを申し出たり、死んだ彼女を思うストイックなあいつが女に手を出したりするはずがないと思うんだが。

言っていたよ。
責任を取れと言って、無理やり押し倒して凌辱したと。
あいつは何も悪くないんだ、って」

そう言う社長の目はとてもおだやかだった。

部長があたしのことを好きだった…?
優しい、あの笑顔はあたしのためのものだった…?
そう思ってもいいの…?

頬を涙が伝う。
いつも部長はあたしを気遣ってくれた。
あたしは部長が笑ってくれたら、いつでも笑顔になれた。
そんな部長が好きで、好きで。

「…まあ、後は星野次第だ。任せるよ」





『営業部』と書かれた札。
いつもより30分ほど遅れて、ノックをして営業部のドアを開けた。

「おはようございます」

あたしが向かう先は、もちろん部長席。
いつものようにあたしは笑顔で挨拶をする。

「おはようございます、橋本部長」

「あ、おはよう…星野」

今日は部長はさすがに笑わなかった。
あたしが遅れてきた理由をわかっているからだろう。
部長の目線は乱れて、あたしをまっすぐ見ることはしなかった。


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