「Ｓ女とＭ男の恋愛事情」-4
「これ、アタシの携帯番号とメアドな？じゃ、アタシは仕事行くから。帰って暇だったら連絡しろ」
彼女が何やらメモを俺に渡してきて、そう言って手を振り歩き出す。
「う、うん。いってらっしゃい…」
俺もつられて手を振りその背中を見送る。
電話番号とメアド…。
なんか、らしくなってきたっていうか。
…心配すること、ないかな。
ホッと内心安堵の溜息を漏らし、メモに視線を落とした。
『電話番号：０９０−××××−３１０５
メアド：xxqueen-reikaxx@×××.ne.jp』
電話番号…３１０５…サドッ娘…。
メアド…女王レイカ…。
あの、何者なんでしょうか。
俺、この先無事に生きていけるのでしょうか…。
貰ったメモを握りしめながら、俺は天を仰ぐ。
おっとそういえば、遅刻じゃないか。俺は慌ててメゾン・ド・Ｍの１０２号に戻った。
波瀾万丈の予感。
だけどちょっと、幸せな気持ち。
今日帰ったら、彼女に連絡してみよう。
終。