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fantasy ability
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reality ability‐第6話‐集められた“過去(しんじつ)”‐-1

‐地界、とある場所‐

それほど大きくはないが、立派な建物だ。因みに、三階建て。攻撃されているようたが、壊れる様子は全くと言っていいほど無い。
結界が張られているようだ。というのは、“カオス”の手下が攻撃しているが、何かにより妨げられているからだ。
攻撃手段は物理的な物や幻想の力、そして、“人間”によって造られた兵器と多種多彩だった。

「どうしてだ!!何故、壊せん!?‥‥まさか!?」

手下を纏めている指揮官が言う。憤怒の表情だったが理由が解ったらしく、ガラリと変わってくる。他の手下たちは必死に攻撃していた。





‐一方、結界内部‐

一階、窓から外が見える一室。そこに男性が二人、女性も二人いた。二人は解る。一人は司義莉、もう一人は梛だった。
残った者はいつぞやに出た二人だ。あの国連重要人物室に居た二人。もちろん、二人ともスーツである。四人とも方膝を着けた状態で座っている。
そして、四人は正方形の形になっている。

「‥‥梛先生?この攻撃はいつ止まります?」

男性の方が困った表情で聞く。そして、梛の事を先生と言った。

「知らないわ。敵に聞いてくれる?それに、結界張るの疲れるんだから、喋りさせないで。」

そう、梛は両目を閉じていて片手を地に着け、手のサイズ程の魔法陣の上に当てていた。‥‥かなり集中している。額に汗を流していた。
隣に居る司義莉も同じ様子だった。この場所の広さは幻光館学校の半分ぐらいだろうが、二人でも防ぎきれるのか解らないぐらいだった。

「‥‥真里祢(まりね)。こんな時、何したらいい?」

男性が女性‥真里祢に聞いた。真里祢は半ば呆れながらも喋る。

「黙っている事。」
「‥‥」

真里祢の一言に男性は無言になる。真剣な表情は最初からだが、その黒き瞳には“何か”を宿していた。二十代前半で何かが解ったんだろうか?
真里祢の方も大人しく座っていた。冷静さは並外れだ。本来の人間なら不安や恐怖心が身体中を覆い被さり震えているはずだが、真里祢からは安心感が感じられた。何故?
それはそうと、未だに二人の正体が解らないままだった。

「梛よ?大丈夫か?」

突然、司義莉が言う。片目を開けて梛を見た。

「大丈夫です。‥‥司義莉様は?」

梛も片目を開けた。

「大丈夫だ。それに、俺に様は要らない。」

司義莉は少し余裕のようだ。軽い笑顔になる。が、直ぐに真剣な表情になる。


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