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fantasy ability
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reality ability‐第5話‐西の洞窟、death cave‐-14

「‥‥‥‥」
「貴方も逃げるの?そうやって、“真実”を知っているのに、それを言わないのは逃げると一緒よ。」

織音は更なる追い討ちみたいに言った。

「‥‥‥‥‥貴女!?さっきから黙っていたけど、もう我慢出来ない!‥‥」
「!?」

謎の人物の声が変わってしまった事に驚く織音だった。謎の人物の姿は変わらないが、声が女性的なものだった。

「‥‥貴女に何が解るの!?“彼”の気持ちが解ると言うの?」

更に零歌は言った。

「解らないわよ。皇は何も言ってくれないから‥‥。」
「‥‥零歌。悪いが、下がってくれ。何でよ!?零歌。‥‥‥‥解ったわよ。」

謎の人物は織音に真剣な顔で喋る。声も戻ったようだ。

「君には悪いが、“真実”は言えない。それでこの“運命”が変わってしまうからだ。」
「‥‥‥」

織音は無言で睨み付けていた。謎の人物はそれに構わず喋り続ける。

「“彼”は“神”ではない。だからといって、“人間”でもない。知っているだろう?」
「‥‥ええ。」

謎の人物は優しく言っているが、織音の表情は変わらなかった。

「まぁ、それを教えたのはオレだからな。」
「!!」
「‥‥司義莉さんが“罪神”になったのも、オレのせいだ。」
「!!」
「‥‥そんなオレを君はどうするんだい?殺すかい?」

謎の人物は問い掛けた。真剣に織音を見ている。織音は静かに喋り始めた。

「‥‥貴方が司義莉お父様を“罪神”にしたなら、殺したい!でも、それは意味がない事‥‥」

織音は悲しい顔で悲しげに言う。謎の人物はその言葉を聞き、視線を司樹菜に変えた。

「‥‥“真実”は今関わっている者の“運命”を変えてしまう。それだけは知ってもらおう。‥‥さて、本題だ。」

謎の人物は更に真剣な表情になる。それにつられて、部屋の雰囲気が重苦しくなっていく。

「‥‥“彼”に関する事です。それは‥‥」

謎の人物の重い口調に司樹菜と織音は真剣な顔で聞いていた。





皇希の言葉は何を指すのか?4つの“記憶の欠片”は揃った。いよいよ、皇希の“正体”が‥‥。
また、謎の人物は二重人格。その姿も異なった姿を持つ。彼らは裏側の“仕事”をしていた。それはまだまだ不明点が多かった。
今、“真実”が闇から光に変わるように明るくなっていく‥‥。





続く


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