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fantasy ability
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reality ability‐第5話‐西の洞窟、death cave‐-13

〈ガチャン‥‥〉

「誰ですか?使用中ですよ?」

司樹菜が言った。司樹菜は扉の方に顔を向けると、徐々に表情が変わっていった。

「!‥‥嘘よ!」
「‥‥!!」

あり得ない物事を見たような表情の司樹菜はそれだけ言った。織音は下を向いていたが、扉の方に顔を向けると口を両手で押さえた。

「‥‥司樹菜さん、お久しぶりですね‥‥」

謎の人物はまず一言。

「‥‥織音、オレは“彼”じゃない。“彼”はまだ“幻想空間”にいるはずだ。君なら解るだろ?‥‥」

続けざまに謎の人物の言葉を放った。織音は声を震えながら喋る。

「ど、どうして‥‥こ、ここに‥いるの?‥‥こ、“皇”が二人?」

織音は動揺で極度の混乱をし、言葉がうまく出てこなかった。

「‥‥仕方ない。少し眠ってもらおう‥‥」
「!‥うっ!」

謎の人物は素早い動きで織音の首を叩いた。織音は躱そうとしたが、避けられずに受けた。織音はその場に倒れ込む。

「‥‥‥‥相変わらず、“神”や“人間”‥‥“無神”に対しては厳しい言葉を言っているんだ?‥‥」
「な、何よ!?」

謎の人物は笑っていたが、恐怖感漂う雰囲気もあった。司樹菜は怯えていた。先ほどまでの雰囲気は完全になくなった。

「‥‥“神”だから‥偉いから威張っていい訳じゃない。ましてや、親だろ?‥‥本当に偉く凄い事は他人を思いやり、自分の持てる“力”を世の中の為に使う事だ。“人間”や強さなどはそうやって育つ。数は少ないが‥‥」

謎の人物は優しくそう言っていた。司樹菜は唇を噛み締める。

「‥‥って、説教を言いに来たんじゃない。貴女にお願いがあります。聞いてくれますか?‥‥」
「‥‥解ったわよ。何をすればいいのよ?」

謎の人物は雰囲気を変えて言った。司樹菜は悔しそうだったが、謎の人物に聞いた。

「‥‥ありがとうございます。その前に、織音?さっきの手刀はくらってないはずだが、それとも、オレの事が気になるか?‥‥」
「えっ?」

謎の人物は寝ているはずの織音に言った。司樹菜は驚いた。

「‥‥気になるわ。“幻想空間”って事も、貴方も‥‥」

織音は何事もなかったように立ち上がり、真剣な顔をして言った。司樹菜が動揺を隠せずにいた。どうやら、実の母親すら騙せる演技を余裕で見破る謎の人物だった。
過去、何度も皇希が余裕で見破った様子を今見ているようだ。

「‥‥それは無理だ。“彼”に聞いてくれ。オレか‥「貴方も逃げるの?」

謎の人物が言っている最中、織音は言った。


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