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君のそばにいてあげる
【学園物 恋愛小説】

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君のそばにいてあげる(一日目)-5

「ほら、美佳。美作くんが呆れてるわよ。早くこっちの世界に戻ってらっしゃい」
溜息混じりに御剣先輩が方城院先輩に話し掛けるのだった。
こうしてくだらない話をしながら美味しい昼食をご馳走になった俺は、昼休みの時間いっぱいまで二人の先輩達との時間を過ごした。

「よお、祐二。お前、さっき生徒会の二人に捕まってたろ。何かやらかしたのか?」
午後の授業を受ける為、教室に戻った俺にかけられた第一声は、親友であり悪友の『戸川清十郎』だった。
「なんだ清か。別に何もしてないよ。ただ、昼飯をゴチになっただけさ」
俺の一言で教室が静まり返る。
まあ、予想範囲内のリアクションだよな。
あの二人は学内では憧憬と畏怖の象徴みたいなもんだしね……。
「し……信じらんねえーっ!! あの冷徹な騎士様と魔女の二人が祐二に飯をご馳走してくれるなんて!? なあ、祐二っ。正直に答えろよ。お前、どんな薬を使ってあの二人を陥落したんだ?」
俺の両肩に手を置いた清はガクガクと俺の身体を揺らしながら問い詰めてくる。
そして、クラスのみんなも興味津々とばかりに注目していた。
「ちょっ、おまっ……ええいっ! 俺の身体をそんなに揺らすなっ。爺さんじゃねーんだから怪しげな薬なんか使うかっ! ただ、購買の人混みに弾き出されたのをたまたまあの二人が見つけて、それじゃあって事で飯をご馳走になっただけだっつーの!!」
全くこいつは俺を日頃、どんな目で見てるんだか。
少しだけ情けなくなった俺は思わず溜息を吐いた。
「やっぱり、ゆーくんの可愛さはみんなを虜にしちゃうんだね。会長さんもゆーくんにはメロメロだぁ」
遥奈はお気楽そうな笑顔で俺に笑いかけた。
本当にこいつはいつでもマイペースだな。
嬉しそうな顔をして俺を抱き上げる遥奈は俺をぬいぐるみか何かと勘違いをしてないか?
「えーいっ! 欝陶しいっ! 俺を抱き上げるな! って、言ってるそばから抱き締めるなぁ!!」
こんな騒ぎの中、午後の授業の先生が教室に来ると騒いでいる俺達の頭を出席簿で叩いて事態を沈静化させると授業を開始するのだった。

こんな調子で小さくなった俺の学校での一日が終了した。
一体、いつになったら俺は元の姿に戻れるんだか……。


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