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社外情事?〜気晴らしの酒と思わぬ睦事〜
【その他 官能小説】

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社外情事?4〜順調で幸せな一日と難問の前兆?〜-4

――それから、5分。
コーヒーが届けられた。それに一杯の砂糖を入れ、一口。
「…っ」
――旨い。だが、自分には少し熱い、と思う。
誠司はカップを一旦置き、漂う香気を楽しむ事にする。

――10分。
ちびちびと飲んでいたはずだが、案外早く飲み干してしまった。手持ち無沙汰になる。

――15分。
何となく、手帳を開いた。書かれた予定を見ると、年始は実家に帰る必要がある事に気付く。

――20分。
何だか無性に、またコーヒーが飲みたくなった。今度はマンデリンを注文する。

――25分。
再びコーヒーが届けられた。

――と、その時。

鈴の音。扉が開かれた事を知らせる音である。

「…誠司君っ」

そして凛とした声が、誠司の名を呼ぶ。
待ち人が来た――そう確信しながら振り返る誠司。彼は、声の主の姿を認めると、嬉しそうな笑みを浮かべた。

「…ご苦労様です、玲さん」

そこにいたのは、豊かな黒髪を僅かに乱し、頬を上気させ、微かに息を荒げた、KIRISAWAカンパニー社長こと霧澤 玲。
彼女は、出迎えた男性に向かって二、三程の言葉を言う。そうしてカウンターの方に男性を向かわせた上で、自身はコートを脱ぎ、誠司の座るテーブル席までまっすぐやって来て、彼の向かい側に腰を下ろした。その後、脱いだコートを座席の背もたれにかける。
「ごめんなさい、誠司君。待たせちゃったみたいね」
開口一番、玲は謝罪した。だが、誠司はそれに対し首を振り、笑みを崩さない。
「待つのは当たり前ですよ。俺と違って玲さんは……忙しい立場ですから」
「…ふふ……そうだった、わね」
彼の笑み。玲もそれにつられたのか、微笑を浮かべた。
誠司は、彼女の言葉に頷いて更に言葉を続ける。
「そうですよ。…それに、女性を待たせるのは失礼ですから」
だがその言葉は、玲の首を若干傾げさせた。
「あら、時には敢えて待たせる事も必要じゃない?」
笑みを保ったまま、彼女は思う疑問を投げかけてみる。誠司はそれを聞いて、考えているような表情になり、頭の中を働かせてから、玲に視線を戻した。
「…たまには必要でしょうが……あくまで『たまに』です。基本は、待たせちゃいけないと思います」
「ふふ…誠司君らしいわね」
彼の答えに、玲は更に微笑む。その表情は、かなり嬉しそうだ。

――と、そこへ。

「お待たせしました。ブルーマウンテンです」
男性が別のコーヒーを携えて、再び現れた。玲が顔を上げる。
「ありがとう」
カップが置かれ、彼女は礼の言葉を口にする。それを聞いてから、男性は「ごゆっくりどうぞ」と礼を返し、戻っていった。
二つのコーヒーを挟み、時折口にしながら、二人は更に談笑を続ける。
「…で、今日はどうするの?私の家に直行?それとも、どこかで食事してから?」
「…そうですね……」
再び思考。その後、誠司はカップに半分程残していたコーヒーを飲み干し、口を開いた。

「…今日は…直行、してもらっていいですか?」

その答えに、玲は熱いコーヒーを一口。それから、誠司の視線を受け止める。

動かず。
逸らさず。
じぃっ、と見つめ――

――笑みを浮かべた。そこには何故か妖しいものがあり、誠司は思わず身構えてしまう。
だが玲は、そんな事に構いはしない。妖しさを含んだ笑みのまま、合わせていただけだったはずの視線をしっかりと捕らえ、誠司にしか聞こえないように、たっぷりと間を空けて――

「…そんなに『お楽しみ』が待てないのかしら?」

――囁いた。


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