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春雨
【純愛 恋愛小説】

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Rainy day-3

『春美は恵まれてるわよ?
私達は…無理だから。』
姉の言葉に何も言い返せなかった。
『じゃ、また連絡するわ』
そう言って一方的に電話は切られた。


私の姉弟は12人…その内、婚約者が居るのは5人…。

婚約者が居ない次男ー…私のすぐ下の弟だってそのうち政略結婚させられるだろう。
私の上の3人の姉は皆、婚約者が居る。
すぐ下の妹にも…。

なぜ私には婚約者が居ないのか不思議に思うこともあったが、今では『予備』だろうと、考えるようになっていた。


もし会社に何かあった時、ちょうど良い年回りの子供が一人くらい空いてなくては困るだろうから・・。


受器を置いて溜め息を吐いた。

比嘉財閥の御曹司…か。

姉弟が多いのも大変だけど一人っ子も大変だろう・・。

・・レールの敷かれた人生…まだ見ぬ見合い相手を気の毒に思った。


続く


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