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【悲恋 恋愛小説】

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絆 -see you again--2

次の日…なんとなく病院に行った。何故かわからないけど来なきゃいけない気がしたのだ。俺は昨日と同じ席に座り同じ本を読むと、しばらくして沙夜がやってきた。
しかしその顔は昨日と違って顔色が悪く、やつれていた…。
「あおちゃん来てくれたんだね…」
昨日と違って無理に笑顔を作っている。
「気まぐれだよ…」
明らかに顔色が悪い。
「体調悪そうだし俺帰るから。」
「待って…」
かすれるような声で沙夜は俺を引き留めた。
「何かあったのか?」
ちっちゃくうなづく沙夜。
「話せるか…?」
またもちっちゃくうなづく
「あのね…同室でね仲のよかった子がね、朝起きたら冷たくなっててね、私がいくら呼んでも起きてくれなくて、それで看護婦さん呼んだらベットに乗せられてそれで」
「もういい!もういいから…」
俺はそう言って沙夜を抱き寄せた。自分の胸の中でただひたすらに泣きじゃくりながら説明する沙夜は昨日と違って壊れてしまったかのようだった…。
沙夜が落ち着くまで俺は黙っていた。
「ねぇあおちゃん…もし私が死んじゃったらこんな風に悲しんでくれる…?」
「縁起でもないこと言うなよ。」
「答えて…」
「当たり前だろ…」
「約束だよ…」
そう言って沙夜は泣き疲れたのか眠ってしまった。
俺はとりあえず眠ってる沙夜を起こさないように病室に運んで同室の人にベットの場所を聞きそこに寝かせた。
病室を出るとこの間の看護婦さんが待っていた。
「何か用ですか?」
看護婦は押し黙ったまま答えない。少しするとやっと口を開いた。
「…あの子に病気の話聞いた?」
俺は黙って首を横に振った。
「私は沙夜ちゃんに口止めされてるけどあなたは聞いておくべきだと思うの…あの子の病気のこと…」
「どこが悪いんですか…」
聞いてはいけない
俺はそう思った。きっと全部壊れてしまうのじゃないか。彼女にあってまだ2日だが沙夜のことをとても愛しく感じていた。そんな日常が壊れてしまうのではないか。
「あの子ね…医学的にはもう死んでるの…いつ死んでもおかしくないの…」
後は何も覚えていない。気がつくと俺は公園のベンチに座っていた。そこで俺は思い出したかのように泣きじゃくった。子供のように手足を丸めただひたすらに泣いた。
一週間俺はビクビクしながらずっと沙夜と会っていた。たわいない話ばかりした。ドラマや最近の流行り音楽など、本当にたわいのない話。
だが限界はすぐにやってきた。聞かないわけにいかなかった。
「あのさ、おまえの体……がもう長…くない…って…本当……なのか?」
途切れ途切れでもうなにがなんだかわからなかった。それを聞くと沙夜は悲しそうな顔でゆっくりと首を縦に振った。
「嘘だろ…嘘って言ってくれよっ!ただの風邪だってっ!なぁ?」
「ごめんなさい…」
その一言でなにもかもが終わってしまった。
沙夜は謝り続けた。泣きながら…。
「あおちゃん…」
やがて沙夜が口を開いた
「もう会うのやめよ…いままで黙っててごめんね…。」
「私といると悲しい思い出がふえるだけだから…」
はっきりとそう言った。それは確かに拒否の言葉だった…。


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