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ジャンプ!
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ジャンプ!-17

「知り合いのなら名前が出て、それ以外は番号が表示されから。
今度はそれを見ておいてよ」

直海はそう母親に伝えると、自室に戻った。が、再びベッドに潜り込んだ時、今度は彼の携帯が鳴り出す。

むしるように携帯を取る直海。
ディスプレイを見た。……案の定〈非通知〉だ。

直海はゆっくりと携帯を開いて電話をつないだ。

「貞本だが……」

直海の声に、かけてきた相手は何も言わない。直ぐに電話を切った。
そして、素早く設定をマナーモードに変更すると、タンスの中にしまった。
しかし、今度は目が冴えて眠れ無い。

「くそっ!」

直海は再びベッドから身を起こすと、台所から缶ビールを持って部屋に戻って来た。

缶ビールを開けて飲みながらテレビのスイッチを入れた。
バラエティ芸人のくだらない番組をぼんやり眺める。だが、頭では先程の事を考えていた。

直海の中に心当たりは有る。

(ソイツの仕業なのだろうか?)

そう考えてると、頭は益々冴えていく。
缶ビールの空き缶が1本が2本、3本、4本となった。そして空が明るくなりだした頃、直海はやっと眠りについた。



目覚めたのは、昼過ぎだった。
夜中のアルコールにより、重い頭が憂鬱な気持ちにさせる。
ベッドから這い出すと、冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出しコップに注いだ。
中身を一気に飲み干すと、ジャージ姿のまま居間に行ってタバコに火を付ける。

「何か食べる?」

母親が台所から声を掛ける。
直海は〈要らない〉と言いながら母親に尋ねる。

「あれから眠れた?」

リビングに戻ってきた母親は首を振りつつ、

「全然……ウトウトしてたら、〈大きなネズミ〉が冷蔵庫の周りをウロウロするから……」

直海はニヤッと笑って〈悪かったな〉と、言いつつタバコの煙を吐いている。要は彼のせいで眠れなかったと母親は言っているのだ。

「雑炊作ったけど食べる?」

昨夜からの飲酒を案じた母親の心遣いだった。

「もらおうか」

茶碗につがれた雑炊を口に運ぶ。弱った空腹な胃が満たされていく。

それから連日、無言電話は掛ってきた。掛ってくるのは深夜の1時頃と昼の12時過ぎ。
直海は〈慣例化〉した無言電話を何とも思わなくなったが、母親は違った。
目にはクマが見られ、日常生活での反応が緩慢になっていた。見た目には変わらないように見えるが、直海の目からすれば気力が無くなり、なにより、電話の呼び出し音に怯えてるようだ。


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