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年の差
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年の差-2-4

〜エピローグ〜

「因みに、菜海がいた研究室の先生ってのは、カッコイイのか?」
「さぁ…卒アル、見たら分かるよ」
「そうか」
俺は菜海が卒業した学校の、卒業アルバムを見ていない。
話しには聞いていた、クラスメイト、特に仲が良かった−『高井』という存在も。
自分が嫉妬しそうで、見なかった。
『もしかしたら、何かあったんじゃないか?』
そう勘繰るのが、嫌で敢えて見なかった。
『自分は菜海の彼氏だぞ』
と、言い聞かせても、何か晴れないところがある。
それに…実は、その『先生』とやらを、見たことあるんだ。



付き合い始めてしばらく経った時、菜海の学校がよく分からなかったので、学校のホームページを見た。

『確か、菜海はこの学科だったはず…』
独り言をぼそっといいながら、クリックした。
彼女のことを知るために、ホームページを見なきゃいけないなんて情けないが、あまり菜海が学校のことを言わないから。
少しでも、彼女のことを知りたい一心だった。
クリックすると、先生の紹介の覧があり、一人ひとり、見ていった。
どこの先生のとこでも、そこの研究室の学生が写っていたり、実験している姿が写っていた。
『すごいなぁ』
文系を出ている自分にとっては、未知の世界だった。
そして、最後の名前をクリックしようとした。
『前川…篤?』
まさかなぁ…そんな…
一抹の不安を抱えながら、クリックする。
そこには、実験を真剣に取り組んでいる菜海の写真があった。
こんな姿、同じ学校じゃないと見れないよなぁ…
そんな風に、ちょっとした嫉妬をしながら、画面をスクロールする。
最後には、研究室全員の写真が載っていた。
前に二人、後ろに二人で写っていた。
前には男子が座りながら、学生らしい笑いを浮かべながら写っている。
後ろには、菜海と先生であるだろう人物が写っていた。
二人とも笑顔だった。
他人から見たら、『楽しそうな研究室』だった。
だけど、俺には違って見えた。
菜海が照れている。
ネットで公開されるからではない。
それに、前川篤。
こいつは…





高校の時の後輩であり、そして…





俺の彼女を奪った張本人だった。


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