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社外情事?〜気晴らしの酒と思わぬ睦事〜
【その他 官能小説】

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社外情事?2〜初めての合コンといきなりの告白-2

「出した人、部署は結構ばらついてるけど、内容はほとんど同じ。『営業部の社員、倉本 誠司が依願退職せざるを得ないような状況に追い込まれているのを、改善してください』って」
玲の口からくすくすという笑い声が漏れる。続いて誠司に穏やかな視線が投げかけられた。
「普通、上申書って部長や課長に提出するようなものよ? それを私に提出するだなんて、余程みんなから好かれているのね、誠司君」
「す、好かれているだなんて……そんな」
誠司は顔を赤らめながら、僅かに俯いた。
自分の知らない所で同僚達が働きかけていた。その事が気恥ずかしいやら嬉しいやらという気持ちが混ざり合い、どんな反応をすればいいのかわからない。
結果として表出した曖昧な表情を、玲は恥ずかしがっているというようにとらえたらしい。玲は穏やかな表情のまま、言葉を続けた。
「別に恥ずかしがらなくていいわ、誠司君。これだけの上申書は、あなたが営業部のみんなに好かれているという確かな証拠。人望という、君の持つ能力の高さを如実に示すものよ?」
「あ、はい……」
励ましにも似た彼女の言葉に、誠司は姿勢を改めた。すると玲は満足そうに頷く。
「じゃ、話を続けるわね。この上申書がきっかけで事実を知った私は、半信半疑ながらも手が空いた時を利用して、まずは個人的に調べてみたの。そしたら、確かにまともな業績を上げ続けていた誠司君の業績が、ある時期から突然ゼロ。これは見過ごしちゃいけないと思って、総務部を使ってその事についてきっちりまとめさせたの。もっとも、放置してたツケが回ったというか何というか、まとめるべき要項が多くて時間はかかったけどね。ま、それはともかく」
そこまで言うと玲の笑みが、柔和なものから大胆不敵なものへと変貌。ソファから立ち上がった彼女は腰に手を当て、威圧するかのごとく誠司を見下ろす。
「さて誠司君、我がKIRISAWAカンパニーの社訓は何かな?」
朗々たる口調。誠司は慌てて立ち上がり、姿勢を正した。
「てっ、『適材適所』ですっ」
「その後に続く言葉は?」
「『人材はあるべき所に』、ですっ」
「うん、上出来」
即座に答えた誠司に、玲は再び柔和に笑う。
「私は、最近ようやく完成した調査結果を見て、その社訓に則ったある決断を下したわ。それが……誠司君の課長就任」
玲は社長席に戻り、椅子に腰を下ろす。そして、立ったままの誠司に再度目を向けた。
しかし今度の視線は、先程までの親しげな様子が演技であったかのように鋭く、冷ややか。冷たい氷を押し当てられたような感覚に襲われ、誠司の背筋を嫌なものが駆け巡る。
「そして、今までその席に座っていた課長は……異動」
「異動、ですか」
会社に勤める者ならば誰にとっても重い意味を持つ言葉を、誠司は反芻する。対する玲は頷き、あくまで冷ややかに続ける。
「管理する者の好むと好まざるに関わらず、あるべき場所に人を据え、役に立てる。それがKIRISAWAカンパニーにおける『適材適所』。それをロクに遵守できないばかりか、自分のミスで恥をかいたから、その腹いせに人材を食いつぶす? 話にならないわ。だから、その課長には異動を言い渡したわ。改めて、この会社の考え方を思い出してもらうためにね」
「そう、ですか」
酷薄な口調と言葉に、誠司は顔をこわばらせ、相槌を打つ事しかできない。
と、ふと玲がきょとんとした顔をして、その後相好を崩した。肩をすくめ、ため息を漏らす。
「まぁ、君が気にする事じゃないわね。むしろ自分の事を気にしないとダメよ」
そして、玲は席を立ち、社長席に戻っていく。
「正式な辞令は明日。諸々の準備があるから、その地位を得るのはそこからもう少し後になるけどね。でも、ただでさえ課長は仕事が多いわ。それは、たとえ新任であろうと変わらない。だから安心して課長の席につけるように、今のうちに自分の課の、これから率いる事になる同僚達の傾向ぐらい分析しておいた方がいいわ」
そう言うと、小さく息をつく。最後に振り返ると、誠司に向かって玲はひらひらと手を振ってみせた。
「というわけで話は終わり。お昼の時間とらせてごめんなさいね。私はまだやる事があるから、誠司君はもう帰っていいわよ」


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