投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ゆきのした。
【家族 その他小説】

ゆきのした。の最初へ ゆきのした。 15 ゆきのした。 17 ゆきのした。の最後へ

ゆきのした。-16

「……」

「…ねえ」

「なに?」

「…飲み終わったよ」

「…台所に持ってくだけなんだからさ…」

「………」

「……はいはい」

 なんだか懐かしい…と思う反面、寂しくもある。

 姉ちゃんとの初めての会話は…こんなもんじゃなかったな、もっと冷めてた。

 僕が無邪気に話しかけて、相手をしてくれなくてもずっとずっと『仲良くしよう』
 って気持ちでいっぱいで、飽きずに幾度も話しかけて、それでようやく心を開いてくれた。

 …姉ちゃんと仲良くなれた、そのすぐ後、母さんは……



 リビングに戻ると、姉ちゃんは机に突っ伏して寝息を立てていた。

「仕方がないな………」





 母さんは、誰よりも優しい母さんだった。

「…これ…透が描いてくれたの…?」

「うん! …へへ、お母さんと一緒に遊園地に行った時の絵だよ! 似てるかなぁ?」

「………………」

「……お母さん…な、泣いてるの?」

「………透は良い子ね…本当に…良い子……きっと将来は…ゴツァンみたいな大人になれるわ……」

「……あんまり…嬉しくないよ」


 言い方が悪いけど、しっかりと飴と鞭を使い分けていた。

「……ひぅ…っく……」

「…前を向いて、ちゃんと由紀奈ちゃんに謝りなさい」

「………」

「仮にも由紀奈ちゃんは女の子であり家族なんだから、どんな理由があっても絶対に泣かしちゃいけないのよ。 ……透は、男の子でしょう? ケジメを付けないと…ね?」

「……………ごめん、なさい……」

「ぐす………うん」

「…よくできました! これで仲直り完了ね。 ……っと、安心したところでお母さんは『セキトリマン 第二十七張・悪と愛と義を貫く怪人、その名はゴツァン!』を久々に見たくなっちゃったなあ……透達も一緒に見ない?」


 そしてある日突然、母さんが何故鞭だけを使う様になったのか、今でも理解できない。


ゆきのした。の最初へ ゆきのした。 15 ゆきのした。 17 ゆきのした。の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前