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保健室での秘め事
【教師 官能小説】

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保健室での秘め事3-1

「佐藤先生って」
原田佳代(はらだかよ)は佐藤瞳(さとうひとみ)に保健室で話を切りだした。

「何?」
あたしがそう聞くと原田さんはあたしをじっと見つめて
「彼氏いないんですか?」
と真面目な顔をして聞いてきた。
「何よ、急に」
冷静に。
あたしは冷静さを保ってそう聞き返す。
「いや、いないのかなって思ったんですよ。
そんなに綺麗なのに」
「教師に出会いがないんだからあたしみたいな養護教諭に出会いがないのも当たり前でしょ」
彼氏?
そんなもの、いるわけないじゃない。
「さ、あたしは帰るわよ。最近原田さん保健室に入り浸りすぎね」
あたしは笑って原田さんの頭をぽんぽんと撫でると、帰る準備をする。


「……」
帰る準備をしたけど、あたしはその場で動くことができなかった。
彼氏。
そんなもの、いない。

そう思っていた時、保健室のドアが開いた。
「すみません、もう帰るんですけどー…」
そう言って振り向いたあたし。
「し…まづ先生」
もう3年以上も会話をしていない男。
その男こそ、あたしが恋した人…島津敏哉(しまづとしや)。
「君の声を間近で久しぶりに聞いたよ」
クスっと笑って近づいてくる。
敏哉の指先があたしの髪に触れ、その後頬を撫でて。
「も…うあたしたちはそんな関係じゃないですよ、島津先生。帰りますから」
そうあたしが言った途端、敏哉はあたしを抱き寄せて。
「…島津先生っ…!」
敏哉はあたしより1つ上で、英語教師。
出会いもこの学校だった。
学校に来てばかりで何もわからないあたしにいろいろ教えてくれた。
体を重ねるのに時間はあまりかからなかったような気がする。
夜の保健室。
2人で遅くまで残り、抱き合い、キスをして。
それだけじゃもの足りず、ひとつになる。
だけど、激しく求め合った日々に終わりを告げたのはあたしだ。
敏哉がイギリスに留学を決めた時だった。
「もう好きじゃない」
そのたった一言。
敏哉を失うのが怖くて、怖くて。
それなら自ら離れてしまおうと思った。

3年して、敏哉は再び戻ってきた。
忘れかけた時に、…いや、忘れることなんかできなかった。
話すこともできずにただ遠くから見つめるだけ。
この3年間何人かの男と寝たこともあったけど。
あたしは必ず自分が主導権を握った。
あたしから主導権を奪い取っていいのは敏哉以外誰もいない。
あたしの体を敏哉以外の誰にも好きにさせたくなかったから…
単に、それだけの理由。
「島津先生…放して下さい…」
「俺のことが嫌いか…?」
「そんな…んっ」
舌が、あたしの唇を犯していく。
「んんっ…んっ」
息もできないほどのキスにあたしの抵抗の声はかき消されて。


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