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【乙女部】
【学園物 恋愛小説】

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【乙女部】―act.1―-4

「ナル、そんな事よりも、彼女…夏乃くんにココについて話をした方が良いんじゃないか?」

「そんな事って何よー!
衛ちゃんは遊び心が足りなーい!!
部活は楽しくなくちゃあ。
ね、ライライ」

「まーまー。あだ名も決まったところで、春日っちの言うように話進めればいーんじゃない」

未来ちゃんの言葉にナルさんは、納得したのか少し微妙な表情で頷いた。

「…むぅ。
まぁ確かに、そろそろ話はじめた方が良いかもね。
時間も遅くなってきたし」

その言葉をきっかけに、春日さんは部活の説明を開始しようと指揮をとり始める。


「…では」


説明がはじまって、やっとこの部活の活動内容わ知る事が出来る!…そう、思った時だった。



――ガラッ



「ちょっと待ってくださいよ。
僕を差し置いて、この部活を語るなんて、そりゃないんじゃないですか。

…これでも、僕は【乙女部】の顧問なんですから」

突然、教室のドアが開いて、何事かと全員が一斉に視線を向けた。
そこにいたのは学生と言われれば、誰もが疑わないほど童顔の白衣を着た顧問と名乗る人物。

「「かんちゃん!」」

ナルさんと未来ちゃんが、姿を見るなり、嬉しそうに満面の笑みでハモった。
かんちゃんと呼ばれる白衣の教師も、それに笑顔で答える。

「も〜!わたし達、春休みも活動してたんだよ?
なのに、1回も顔見せにきてくれないんだもん。
長い間、一体どうしてたのよ?」

会話を聞いていると、教師が相手とはまるで思えないほどフレンドリーだけど、先生自身もあまり気にしていないみたいだから、これはこれで良いんだろう。

「いや〜。突然、短期出張を頼まれてしまいましてね。
今年、開校された姉妹校にヘルプをしに行ってたんですよ」

先生は人の良さそうな顔を少し困ったように傾げる。
…ほんとに若い先生だなぁ。
秋吉くんと同級生って言っても信じちゃいそうなくらい。
身長もそこまで高くないし、童顔だけど、やっぱり少し落ち着いた雰囲気をもってるから、そこはさすが先生って感じ。
笑顔が素敵で優しそうだから、きっと生徒に好かれるタイプだと思う。

「それは大変お疲れさまでした。
…先生もいらっしゃった事だし、もう1度仕切り直すとしよう。
彼女は、秋吉が連れてきた新入部員候補の雨野夏乃くんです。
こちらは、この部の顧問をしてくださっている神林 真樹(かんばやし まさき)先生」

春日さんに紹介されて、うやうやしくペコッとお辞儀をする。


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