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【乙女部】
【学園物 恋愛小説】

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【乙女部】―act.0―-1

「夏乃、あんた何部に入る?」

『…え?』


私、雨野 夏乃(あまや なつの)。
ただいま星北高等学園の1年生に成り立ての15歳。
見た目は友達いわく幼顔で妹系らしいけど、性格はわりとサバサバしてる…と自分では思ってる。
だけど、やっぱり見た目のせいか子供扱いされる事が多いんだけど。

「だから、部活。どこに入るつもりなのよ?」

この子は、葛城 絢(かつらぎ あや)。
中学から一緒で、私よりずっとサバサバしてるお姉さん的な存在。

『え、絢は部活入るの?』

「まぁね」

『めっずらしー!中学じゃ立派な幽霊部員だったのに、どーいう心境の変化?』

「…実はさぁ、入学してから知ったんだけど、うちの学校の運動部ってイケメン揃いらしいのよ!」

…絢についての説明補足。
面食い・男好き・恋愛中毒。

「…それで!マネージャーになっちゃえば、出会いなんてエンドレスじゃない?
だからぁ…」

『これから各運動部に偵察に行って、よりイケメンが多い部のマネージャーになっちゃおー!…的な?』

「あたり!分かってんじゃない、夏乃。
そうと決まれば、ほら、まずはバスケ部から行くわよっ!」

絢が私の腕を掴む。

『ちょっと…私、行かないからね』

「えー!何でよ!?」

『だって、興味ないし』

さすがに仲良いからって、そこまでは付き合えない。
絢が入りたいなら別に止めはしないけど、巻き込まれるのは勘弁!
もともと運動部ってキャラじゃないし、男とかにも興味ないし、入る気のない部活の見学なんて面倒だもん。

『…それに、うちの学校、部活は強制じゃないし、今はあんまり入部考えてないんだ』

そう、この星北学園では部活動の参加が強制ではなく、自主制に任せられている。
大学受験に命懸けてる人とか、バイトで忙しい人とか、それぞれのニーズに合わせた校則を掲げている、とても生徒思いの学校なのだ。
…別に私は、大学受験に命懸けてるわけでも、バイトを一杯一杯しなくちゃいけないわけでもないけど、だからといって、軽はずみに部活に入って後から悔やむのだけは避けたい。

「そっか。分かった。じゃあ、あたしは見学してくるけど夏乃は先帰る?」

こういう時、絢といて楽だなぁって思う。
絢は私の事を分かってくれてるから、それ以上しつこく言わないし、別に断っても気にしないでくれるんだ。


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