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ヒメクリニッキ
【コメディ その他小説】

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ヒメクリニッキ-2

「しかしでかい……家がでかい……」
 悟の家に着いてからもう3分は経っている。着いてからだ。
 門を開いてから玄関まで一体何mあるんだよと突っ込みたいぐらいである。一般Peopleの俺にはこの距離の意味を知ることはないだろう。
「うえぇ、やっと玄関発見」
 走り過ぎたのか元気がない冴利が指差したところに、これまた大きい玄関があった。
「おう、よく来たね」
「勉強しに来ました」
「xは3です」
「いやいきなり答え言われても」
 悟は、あはは、冗談だよ。と笑いながら俺達を家に招きいれてくれた。持つべきものはやはり友である。
「今日はまた先客がいてね。まぁ、みんなで勉強すりゃ早く身につくだろうし」
 そう言った悟の向こう側を見ると、3人がテーブルを囲んで座っていた。
「ルワンダ!」
「ジャマイカ!」
「むぅ! ……トリニダードトバゴ!」
「…なら、セントビンセント及びグレナディーン諸島だ」
「あぁ! もう俺に勝ち目はねぇ……。煮るなり焼くなり好きにしろ!」
「いや、まだルクセンブルグが俺にはついてる! 行けええええええええええ」
「アラブ首長国連邦です」
「アンティグアバーブーダ」
「助けてくれえええええええ!!」


「何してんだよ……」
「さあ……。僕にはハイレベル過ぎて……」
 ズーンと暗い顔になる悟。
 お前はこの空気に馴染めないまま一人で俺達を待ってたんだな。ごめんな気付いてやれなくて。
「あ、悠もやる!? 世界各国隠された秘宝トーナメント」
「まずルールが解らないっつの」
「大丈夫! まずはフィールドを展開するんだ!」
「勉強しようぜオイ……」
 ヤバイ。このままじゃ俺の余命は今日入れて二日になってしまう。
 それだけは避けたい。それだけは。
「よ、ようやく来たか、篠宮悠」
「うぁ、こんちは、友沢先輩」
 黒い長髪を揺らして来たのは、我らが先輩、友沢先輩である。何て言うかね、このないすばでぃー。ガキみたいな冴利とかとは違う。根本的に違う。
「ほぉ、バカでガキみたいな私は悠の眼中にもないと」
「い、いや、ですね、洗濯板みたいな胸でも可愛いな冴利ちゃんは……っていやああああああああああああ」
 本日二回目の暗闇到来である。
 今のキモチを9文字で現すならば『っていうか勉強は?』だな……うん。




「だ、大丈夫かい? 悠」
 うっすらと目を開けると、そこには悟が心配そうな顔をして俺の顔を覗き込んでいた。
「なんかアレだった。俺幸せだった」
「何が……、もう7時だよ、早く勉強しないと」
「ナニィ! 7時ダト!? 急ゲ悟! 俺ニ数学ヲオオオ」
 俺の脳内では成宮先生が微笑んでいる。ええまあ見事な笑顔ですよ。


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