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ヒメクリニッキ
【コメディ その他小説】

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ヒメクリニッキ-7

 雷鳴が鳴り響く。
 まるで空が割れるかのような音と、目も眩むような光が辺りを覆っていた。
「こういう時に天気予報って当たるよね」
 窓を閉めながら、悟が呟いた。
 全くだ。晴れとかは外れるくせに。
「うわー、怖ーい」
「外に飛び出して誰が落雷するかを競う、名付けて『飛び出せ! 落雷ロシアンるぅれっと☆』」
「死ぬだろ!」
 きゃはっ、と可愛くない笑みを浮かべてさらっと恐ろしいことを言い放つ梓。
 ありえません。さすがに落雷はありえません。
「いやぁ、夜。雷。良いシチュエーションだね」
「意味が解りません」
 ざぁざぁと、まだ雨は降る。
 スプラッター映画に良く出てきそうな雨だ。
「これじゃあ外に居る人は危な……って」
 今まで以上に大きい音がしたと思えば、フッと照明が全て消えた。
「停電かな?」
「停電だー」
「名付けて『暗闇のなかで起きる殺人事件、凶器は一体なんなのか? 逃げることが出来ない密室のなか、犯人は、この中に!! ゲーム』」
「ゲーム名長いから却下」
 停電なのにテンションが変わらないのは恐らくここにいる人間だけだろう。
「えー、えっと蝋燭取ってくるね」
 携帯のライトを頼りに、悟は台所のほうに向かっていった。
「暗い……暗い……うわああああああ」
「なんだよ!! びっくりさせんなって」
 3人とは言え、このバカでかい家に真っ暗の中閉じ込められている。それなりに雰囲気があるもんだ。
「血がぁ……血をくれぇ」
「やーめーなさいー!」
 空気を読めない女、冴利がふざけて怖い話をしだした。
 いやぁ、相手が見えないと本気で怖いもんだ。
「悟おせーなー」
『うわあああああああああああああ!!!』
「わ!!」
「きゃあ!!」
 台所のほうから叫び声が聞こえる。確かに、悟のそれだった。
「何…何!?」
「これは本格的なシチュエーションになってきたよー」


 驚いて恐る恐る、台所のほうに目をやると、ゆらぁ…と、黒い影がうごめいているように見えた。


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