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S・S的加虐性愛嗜好
【教師 官能小説】

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S・S的加虐性愛嗜好-1

「……からさ、ネクラメガネのヤツ、童貞じゃねーのって話」
「くくく、カワイソーだって。聞こえてんじゃない? ほら、ネクラメガネの佐渡島センセ、棒立ちじゃん」
――言ってろ、頭の足りない馬鹿女共。
教師も通る学校の廊下にもかかわらず、甲高い声での下品な会話。
無論、この会話は故意に俺に聞こえるように言っているのだろうが。
澁澤(しぶさわ)女学園はもう少し品行方正な生徒が通うところだと思っていたが、こんな奴等がいることを考えると、この学校のレベルも高が知れる。
赴任して来て三ヶ月が経ち、この学校での仕事と生活に慣れると同時に、俺は此処の人間を蔑まずにはいられなかった。
口を開けば男だ、セックスだと口喧しい女生徒共。
金持ち学校だからか知らんが、こんな奴等に媚びへつらう教師共。
全く、馬鹿らしい。
しかし全く、愉快な話だ。
知らずのうちに口の端が吊り上がる。
このような馬鹿共の中で、俺は優越を感じていた。人を蔑むことの快感を、俺は知っている。
愚かで、矮小で、低劣な馬鹿共。
そんな奴等を見下し嘲笑する度に、背筋を駆け上るぞくりとした快感。
――堪らない。
(ふん……)
通りすがりに言葉を吐いた二人の生徒を一瞥し、俺は理科準備室までの道のりを再び歩き出した。


佐渡島正太郎(さどじましょうたろう)――それが澁澤女学園生物教師である俺の名前だ。
その名が記された火元責任者のプレートをちらりと見やってから、俺は扉を開ける。
洋館のような古い作りの校舎の中でも、一番に古めいた教室――理科準備室。一歩足を踏み入れただけで、ホルマリンの臭いが鼻腔を突く。
教室と呼ぶには些か狭い、埃を被った蛙や白鼠のホルマリン漬け、人体模型の並ぶこの部屋。
冷房装置がないため湿った空気がこもっていた。
ネクタイを緩めて、俺はそこに設えた小さな机に書類封筒を置く。
それから、この部屋に置くには少しばかり大きい椅子に腰掛け、机の中に常備してある檸檬味の飴玉の袋からひと粒を取り出して、口に放り込んだ。
口の中で飴玉を転がしながら、閉じたカーテンの外から曇り空を眺める。
放課後のこの時間が、俺にとって至福の時だ。
特に今は梅雨の、一番湿気の多い時期。不気味な空気が俺にとっては妙に心地良い。

眼鏡を外し、疲れた目を暫し押さえてから再び眼鏡を掛け直して、俺は封筒から試験の解答用紙を取り出した。
期末試験も終わり、じきやって来るのは梅雨明けと夏休みだ。
しかしこの調子では夏休みと言ってもそんなに休めまい――すこぶる悪い試験結果に、俺は補講の必要を感じた。
採点をしながら、あまりにも悪い試験の出来に頭を悩ませていた、そんな時だった。

コンコン、と軽いノック。俺は顔を上げて、採点用の赤ペンを置いた。
再び、ノックの音が聞こえる。
(誰だ?)
滅多に人の来ないこの理科準備室に、一体何用だ?
しかも、ノックをして様子を伺っていると言うことは、俺が此処にいることを知っているのか。
一人の時間を邪魔され、不快感も露わに俺が扉を開けると、そこには一人の生徒の姿があった。
「……何の用だ」
顔を顰め、俺はそいつ――2年B組の丸木田緑(まるきだみどり)に問うた。
この学園に最も多くいるような、暗い茶髪に短かなスカート。
いかにも馬鹿そうな相貌の女だが、実際補講候補に挙がっている一人だ。


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