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夜の学校
【ミステリー その他小説】

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続・夜の学校-8

「で、誰か怪しい人はいたんですか?」
 俺がそう聞くと、おじさんは笑いながら、
「いないから退屈でしょうがないんだよ。腕がなまっちまうぜ。わっはっは!」
 そういって腕をぶんぶん振った。なかなか陽気なオッサンだ。おかげでさっきまであった俺の緊張感はすっかりなくなったぜ。守衛がいるなら見回りの必要はなさそうだ。そろそろ俺たちはお役ごめんってとこだな。
「じゃあぼくはそろそろ帰ります」
「うむ。帰り道、気をつけてくれたまえ」
 そして、俺は委員長を呼びに行こうとしたその時、
「なんだなんだ?」
 誰かがものすごい勢いで走ってくる。
 委員長だった。
「おお、どうした委員長。そんな走ったりして。今呼びに行こうと思ったところだ。それとも新しいダイエット法でも試してたのかい?」
「バカなことを言ってないで聞いて。さっき不審者を発見したのよ」
「えっ?」
「ひょっとしてこの守衛のおじさんのことかい」
 俺は後ろに立っていたおじさんのほうを向いて言う。
「違うわ。もっと太った感じの人だったわ」
 守衛のおじさんよりでかいのか。それはかなりの大男かもしれんな。
「じゃ、じゃあもう一人別の誰かが」
「そうだとしたら不審者かもしれない。見に行く必要があるね」
「ああ、一緒にお願いします」
 俺と守衛のおじさんは委員長の案内についていくことにした。
「委員長、何階だった?」
「三階の職員室のほうよ」
 俺たちは速やかに階段を上った先の職員室のほうへと向かった。よく見ると職員室の扉は開いている。
「いた、あそこ」
俺も職員室の中を覗くと、委員長が指差した先に一人の男の影が見える。背は低そうだが体回りが大きい、クマのようにずんぐりした体をしていた。ごそごそと何かを探っている。もしかして泥棒なのか? 
「よし、俺と委員長が入り口で待ち伏せしているからおじさんは男をここまで追いかけてください」
「それはいいけど、君たちで大丈夫なのかい」
 おじさんが顔をしかめて聞いた。
「安心してください。これでも体育の柔道の成績はAでした」 
するとさらに委員長も突っかかる、
「ちょっと待って。女の私にあんな人を取り押さえろって言うの?」
「まあそう言うな。ラストは俺が捕まえるから」
 ずいぶん派手なことを言ったが、まあなんとかなるだろうと俺は思った。
そして待ち伏せ作戦を実行することになったのだった。
守衛のおじさんが職員室にそーっと音をたてずに入る。
男はそれにまったく気づかないらしく、夢中になって何かを探していた。
「おい、そこでなにをしている!」
 おじさんがそう男に叫ぶと男は一瞬ビクリとした後、すぐに何かを探すのをやめてその場から走って逃げ出した。
そして男はそのまま、入り口にいる俺たちのところに向かって突進して来た。
こっちにくる。ようし、逃がさないぞ。
「おわっ」 
その時突然、俺の目の前まで来た男の体が、凄い勢いで地面に転がり込んだのだった。
我が生活委員長が男の足をすばやくけり払ったのだ。なんて奴だ。 
「今がチャンスよ」
 まったくの予期せぬ足すくいで、男は床に転げたまましばらく動けない
「でかした委員長。あとは俺に任せてくれ!」
 そう叫んで俺は、男がやっと起き上がったとこに飛びつき、取り押さえようとする。
「畜生! このガキが」
 と男が叫び振り払おうともがいた。
「いい加減おとなしくしろ」
 俺が男の腕を押さえようとしたその時。
「ぐわっ」
 腹を思いっきり殴られた。俺は50?弱ほど吹っ飛んだ。その隙に男は再び体勢を整え逃げだした。ああ、突破されてしまったか。男はそのまま廊下を走っていく。くそう! 我が委員長に比べて俺はなんてふがいない男なんだ。


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