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Happy Birthday
【家族 その他小説】

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Happy Birthday-8

「貴之!!」
名前を呼ばれ、'はっ'となる。
あれ!?
空が明るい…??
もしかしてここで一晩眠っちゃったのかな??
慌てて声のした方へ振り返ると、そこには見慣れた母さんの顔。
さっきまで一緒にいた『母さん』よりも、ちょっとおばさんになってる。
「こんなところで何やってんの!?早く帰ってきなさい。」
……??
一晩ここで眠ってしまっていたには、母さんが心配していた様子がない。
不思議に思い考えていると、
「今日はあんたの誕生日でしょ!?お父さんも早く帰ってくるって言ってたし、ケーキも買ってきたから、家に帰ろう。」
…家。
そう言えば、マンションがある。
僕、もとに戻ってきたんだ。
しかも、今母さん'今日が僕の誕生日'だって言った。
ここで眠ってしまっていたなら、今日は11/15のはず。
どういうことだ??


―貴之8歳。
サッカーを習い始める。
シュートがなかなか決まらず、悔しい様子。
頑固で負けず嫌いだ。
次の試合では、必ず決められるはず!!
頑張れ、貴之!!―


母さんと一緒に家に帰ってくると、僕が家を飛び出してからまだ2時間くらいしか経ってなかった。
『母さん』に会ったと思ったのは、ただの夢だったのかな??
僕は、河原で眠っていただけだったのかも…。
「母さん、僕が産まれたときの写真とかない??」
今まで一緒にいた人が本当に『母さん』だったのか確かめたくて、アルバムをみてみることにした。
「あるけど…、どうしたの急に??」
母さんは少し不思議に思ったみたいだけど、アルバムを出してきてくれた。
「母さんも一緒に見ようよ。」
ちょっと照れくさかったけど、勇気を出して誘ってみる。
「本当に今日はどうしたの??」
といいながらも、母さんは僕の隣に座り アルバムをめくり始める。
赤ちゃんを抱いている女の人。
写真の中にいたのは、間違いなくさっきまで僕と一緒にいた『母さん』だった。
「これが産まれたとき。このとき見ず知らずの男の子に凄くお世話になったのよ。」
母さんが話し始める。
え……っ??
それって僕のことかな??
「『貴之』っていう名前は、その子からもらったの。とっても優しくていい子だった…。」
間違いない。
夢なんかじゃなかったんだ。
僕は確かに過去に戻って、『母さん』にあった。
アルバムにはたくさんの写真が並んでいる。
どの写真にも、小さい紙に書いたコメントがついていた。
『―貴之〇歳。―』とか。
『―小学校入学―』とか…。
「母さんは僕が産まれたとき嬉しかった??」
ずっと聞こうと思ってたこと。
『母さん』と母さんは同じ人なんだから、何て答えるかはわかってるはずなのに、少しドキドキする。
「…嬉しかったわ。世界で一番の幸せ者だと思った。」
そして、突然目の前に箱を差し出してきた。
「はい。プレゼント!!」
突然のことに、驚く。
水色の包装がしてあって、端っこに青いリボンがついてる。


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