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お見合い=出会いの場?
【コメディ 恋愛小説】

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お見合い=出会いの場?-2

「でね、女手一つでこれから行くには、娘さんの将来が不安だから」
だから昔からの友人である母さんの息子、つまりはこのオレに託すと……。
「んなアホな」
「私は別にいいと思うのよね。あんた、結構しっかりしてるしね」
「いやいや、しっかりしてるとかしてないとかは問題じゃないだろ?その娘さんはどう思うかだろうが!」
相手の考えを無視した行動なんて容認できるか。ましてや、お見合いだぞ?万が一、結婚もあり得る。
しかし、母さんは「会うだけだから」の一点張りで押し通してきた。
「ね、こーんな美人さんなんだから。会ってみるだけ、会ってみたら?」
そう言って、開いた写真の中の人は確かに美人だった。黒髪が結い上げられ、白い肌に紅色の唇。ちょっと背は低いが、和服が似合う美人だった。
しかし、目つきが鋭いな。写真の中からでも、見られてる感じがする。いやむしろ、睨んでるぞ。
しかし、綺麗だな……。
「……会うだけだからな」
「それでこそ我が息子ねぇ」
ホクホク顔で母さんは電話機に手を伸ばした。


「久しぶりぃ、元気だったぁ!?」
「アタシは元気よ。ごめんねぇ、こんな事頼んで」
「いいのよ。キョウちゃんの頼みなら。でね……」
お見合いの当事者そっちのけで母さんたちは話しに花を咲かせている。
「母さん……」
「お母さん……」
オレがため息をつくと同時に目の前の彼女がため息をついた。
奇しくも目が合う。
うーん、美人だ。写真で見るなんかよりよっぽど。……あ、そっぽ向かれた。
見すぎたか…。
すかさず謝るオレ。やっぱり女の子に悪印象を与えたくないしな。
「すいません。失礼しました」
「……いや、こちらこそ失礼した」
そう、ここで疑問に思った方もいるだろうが、彼女の言語フォーマットはやや時代がかっているようだ。
「じゃあ、積もる話もあることだし、ここは若い人同士でね」
「瑠璃。しっかりね」
お見合いでのお約束発言をいきなり初っ端からして、母親二人は出ていった。
あ、おい。趣味とか一緒に聞かないの?ねぇ!?
「お、お母さん……」
「母さん!」
呼び止めても、仲良し二人組は手を振るだけだった。
当然、いきなり2人っきりでほったらかされたオレ達は何を話したら良いかわからず固まるだけ。
「「…………」」
どうしろっての?
うわぁ、いきなり2人っきりの強制イベントなんて聞いてねぇって。
うーむ、とりあえず話しかけてみる……か?
「…………」
……すげー見られてますけど、オレ。
『ジ〜』という音が聞こえてきそうなぐらい見られてますけど。いやむしろ睨まれてますけど。
と、とりあえず謝っとこ。
「……すみません。あんな親で」
「いや、こちらこそ。私の母が無理を言ってすまない」
二人とも謝って沈黙……。
く、空気が重い。
「……一つ、質問しても良いだろうか?」
突然彼女が口を開いた。
「へ……。あ、あぁ、どうぞ」
「敬語はいい。私達は同い年だ」
そっか。場の雰囲気に沿って敬語使ってたけど。彼女がそう言うなら。
「じゃあ、遠慮なく」
「ふむ。……では質問だ。私はお母さんに無理やりこの見合いをセッティングされた。押し切られてしぶしぶ来たのだが、君はなぜ来たんだ」
……なんで言われてもなぁ。
母さんが押してきたから?
それもまぁ、あるっちゃあるけど……。
う〜、言っても良いのだろうか?


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