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お見合い=出会いの場?
【コメディ 恋愛小説】

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相互理解=不可欠?-7

「…俺はさ、思うんだよ。結婚って、そう簡単にできるもんじゃないって」
「それは、私もそう思う。相手がいなければできないのだから」
「いや、俺が言いたいのはそういう事じゃなくてだな」
……?
「考えもみろよ。結婚した相手は、まず間違いなく人生で一番長く一緒に過ごす相手だぞ?」
「確かに、その通りだ」
「相手の事をよく知りもしないで、俺の事を知ってもらってないで、結婚なんて出来るわけがない。……だから」
だから?
辰也は顔を赤くして、再び鼻をかいた。
「……もうちょっとお互いの事、知り合わないか?」
「それは……」
先生が言っていた。相互理解が不可欠だと。辰也も、そう考えていたのか。
「お前の事、少しずつでいいから、知っていきたい。その……まぁ、なんだ。…好き、だから」
「……辰也」
今ほど、私は幸せだった事はないかもしれない。好きな人からの好意を聞かされる事が、こんなにも心地良いなんて。
「私も、好きだ。私も…辰也の事が、知りたい」
何故か、辰也の瞳から目が離せなくなった。お互いの後ろから、風に押されるかの如く、顔が近づいていく。
こ、これは夢にまで見た…………ん?
視線を感じた私たちは、お互いに瞑った目が開かれ、辰也は右を私は左を向く。
じーっと、こっちを見ている3対の目。
噴水の周りで遊んでいた子供たちだった。ニヤニヤしている。
「……み、見せ物じゃないぞ!!」
辰也がたまりかねて怒鳴ると、喜んだ様に悲鳴をあげて、散らばっていった。
「〜〜〜〜帰るぞ!」
あ………。
うぅ、せめてし終わってから来てほしかった。とは言え、子供たちを恨んでも仕方のないこと。
今日、辰也の本音を聞けただけでも、良しとしよう。
明日、タマと先生にお礼を言わなければ……。
私は辰也の後を追いながら、そう考えた。


続く


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