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ドアの向こう
【父娘相姦 官能小説】

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ドアの向こう〜宣戦布告〜-1

「玲、機嫌直してよ」
「……………」
高宮優は大変困っていた。
愛しい恋人、霧崎玲とケンカ中…というより一方的に怒られている。
いつもはピタリと寄り添ってベタベタとハートをまきちらしながら歩くのだが、今現在は前後2メートルほどの距離を一定に保たれたまま歩いていた。
後ろから必死で声をかける優であったが、玲は振り向きもしない。
完全にお手上げ状態であった。
何故こんなことになってしまったのか…
話は今よりほんの前にまで遡る。




…今日、いよいよ優が卒業式を迎える。
最近仕事が忙しく、なかなか休みが取れない父の代わりに姉の綾と、恋人の晴れ姿を是非見たいと言う玲が保護者席にいた。

荘厳でありながら、別れを悲しむ空気が包む。
これぞ卒業式という感じであったが、そんな中で皆の視線、特に男の視線がある方向に集まっていた。
綾と玲である。
類い稀なる美貌とスタイル抜群な美女が並んで座っているのだから仕方ないことではある。
生徒のみならず、保護者や教員までもが彼女らをチラチラと見ていた。
優もそのことに気付き、彼女らの魅力に対する自慢気な気持ちと、いやらしい目で見る他の男達に若干の嫉妬を感じていた。
それから順調に式は進み、最後に卒業生が在校生の作るアーチを抜けて無事に卒業式が終わった。


「優、どこかな…」
在校生と卒業生が入り交じる中を、玲は優を探し求めて歩いていた。
ちなみに綾は邪魔するのもなんだから、といって先に帰っている。
そんなの気にしなくていいのに、と思う反面、やっぱり優と二人きりになれるのは嬉しい。
(今日は優の家に誰もいないからずっと一緒に過ごそうって約束してるし…えへへ、たっぷり卒業したご褒美あげなくちゃ…なんてね…)
優を探しながら、そんな風にノロケてみる。
しかし、人が多く、混雑しているせいでなかなか見付からない。
どうしたものかと思っていると、在校生と卒業生の混ざった女性徒の集団を見付ける。
まさかあの中になんてね…と思いながらも、なぜか嫌な予感がしてそこへ近付く。
そこには…女の子達にもみくちゃにされている優の姿があった。
「高宮先輩、また絶対遊びに来てくださいね!」
「もちろん。それより…」
「あ、あの…先輩、第二ボタンを…」
「あっ!ずるーい!先輩私にも!」
「う、うん…あの、前を…」
「優くん連絡先教えてよー」
「分かった後で…あの、通してもらっていいかな?」
と、もみくちゃにされながらも大人気の優であった。
それもしょうがないことだろう。
甘いマスクに優しい性格、気だての良さ。スポーツ万能、成績優秀。それを自慢することなく誰とでも仲良く接する人柄…
こんな優であるため同級生のみならず、後輩からも絶大な人気を誇っていた。
それも男女問わずだ。
あれだけ女子に囲まれてる光景を見て、他の男子は、普通なら優に羨望や嫉妬の感情を持ちそうなものだが、そうではなかった。
逆に優と最後の会話ができなくて女達に恨みの視線を送っていた。
そんな中で1人だけ優に特別異質な嫉妬のオーラを放つ人がいた。
玲である。
(何よあれ何よあれ何よあれ何よあれ!)
優の人気は付き合う前から独自に調べて知っていたが、実際に突き付けられると憎らしい。
自分の恋人があれほど人気者なのは喜ばしいことではあるが、自分が近付けないほどであるなら話は別であった。
本当ならあそこには私だけがいるはずなのに、何で他の女が(しかも多数)いるのよ…優のバカ…

殺気に気付いたのか、玲が近くにいることに優が気付く。
しっかりと目が合うが玲は笑顔を見せる気にもなれず、踵を返して学校を出ていった。


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