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記憶のきみ
【青春 恋愛小説】

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目の前のきみ-2

佐藤由貴。
俺の中学時代の親友であり、大学に入って再会した。
五年前に灰慈と付き合い始め、不思議な関係だが今も続いている。
なんと由貴は現在、法律事務所で補佐官をやっている。やがては弁護士になるのだろう。
それにしても、医者と弁護士のカップルってすごいな。


「おっ、揃ってるね」
「やっほー♪」
最後の二人がやってきた。
いや……三人か。
「葵ちゃん、久しぶり♪」
「うん!久しぶり♪」
二人は仲良くハイタッチを交わす。
「「きゃー!!可愛い!」」
由貴と悦乃は声を揃えて青空に駆け寄った。
まあ無理もない。
青空の腕には赤ん坊が抱かれているのだから。

「紹介します!娘の愛です!」
葵は手をあげて言った。


そう、今日集まったのは、青空と葵の間に生まれた第一子の御披露目のためなのだ。


葵が抱いた赤ん坊にみんなが集まる中、瞬と青空は会話を始めた。
「つい最近、退院したんだよ」
『そっか、悪いな、なかなか顔出せなくて』
「しょうがないよ、エリート銀行マンだもんね」
『ずいぶんと嫌味ったらしいな、先生』

樋青空。
灰慈と同じく高校からの付き合いで、天然スポーツマン。
今では夢を叶え、高校の体育教師になった。
そして今年、葵と結婚し、先生として、父親として奮闘している。

「愛ちゃーん♪悦乃おばちゃんと由貴おばちゃんだよー♪」
「ちょっと!誰がおばちゃんよ!」
由貴が睨みをきかせる。
「ちょっと、由貴ちゃん」
慌てて仲裁に入る悦乃。
「あはは」
笑う葵。

五年の月日が経っても、俺たち六人の関係は変わらなかった。
今も、これからもずっと、それは変わらないだろう。

「由貴、次は俺らの番グアッ!」
「あんた…あたしに何する気!?」
「おーおー、ラブラブだねー」
「あはは♪」
「本当に相変わらずだねー」
『そうだな』
その日は結局、六人で遅くまで騒いだ。


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