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終わりの合図と見知らぬ唄と
【青春 恋愛小説】

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終わりの合図と見知らぬ唄と-2

「僕が誰だかわからない?」うぅ…見透かされた…さぞ不思議そうな顔してたんだろうなぁ…
「いっいやっ!…その…わからないです…」
あわてた私を見てまたクスクス笑ってる彼。
「やっぱり?いや、いいだけどね?えっとぉ…始めまして…かな?藤原っていいます。藤原 真(ふじわら まこと)。」
「藤原…君?」
やっぱり知らない…
「あぁいいんだいいんだ!僕、あんまり目立たないから」そぅ言ってうつむく藤原君。その姿がとてもかわいく見えた…

それから私達は他愛もない事を話した。 そういえば今日、学校で人と話したのがひさびさだったことに気付いて自分で驚いた。
その事に気付いてドギマギしてきた私。
昼休みに男の人と話してる…考えられない。
急に不思議に思えてきた私は幾分話しやすくなった藤原君に聞いてみる事にした。
「なんで…その…さぁ…私…なんかを?」
誘ったの?なんて恥ずかしすぎて聞けなかった。
「え?それってなんで誘ったのって事?」
すべてを言わないでも悟ってくれた。向こうも気にしてたみたいだった。小さくうなずく私。
「う〜ん…強いてあげれば僕と同じ眼をしてたから…かな?あっ変な意味じゃないよ?」…!! 私と同じ事を…
「気を悪くしたらならごめん…謝るよ」
驚いた私を傷ついたと勘違いしたみたいだった。
「そんなことないよ!…私も…同じ事考えてたから」
慌てて答える私の言葉に、藤原君は今日何度目かのあの笑顔みせた。。。

それからの授業は、いつもなら澱んで見えた教室の空気も、澄んだ心で見る事が出来た。
風に乗って見知らぬ唄が聞こえてくる気がする…
終わりの合図は地獄の鐘では無くなっていた。


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