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「保健室の小さな秘密」
【教師 官能小説】

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保健室の小さな約束-2

「じゃ、またね」
小さくチュッと音をたてながら私の額にキスを残して去って行った。
バタバタバタ…。
生徒達が廊下を走る音がする。
「悠センパイ、リレー頑張ってくださいね!」
「おう」

リレー…?あぁ、体育祭が近いんだっけ。そういえば。
この学校は月曜日が体育祭で、1日予備日があって、残り二日間で文化祭という、ほぼ一週間お祭り騒ぎになるんだそうだ。
もう学校全体が熱に浮かされているかの様な、そんな感じ。
私も高校の頃を思い出して、なんかワクワクする。

それに…、いつもは見れない悠が見れるかもしれない。
良い機会なのかもしれないな。もっと悠の事を知ってみよう。…って言っても、軽い悠(いつも通り)しか見れない可能性大だけどね…。


―――体育祭当日。
私は朝礼台横の救護用テントの中にいた。
晴れ渡った秋空が気持ちいい。今日は私もジャージを着て、その上に白衣を羽織る。
校長先生の挨拶やら、生徒会長の宣誓やらが終わって、競技が始まった。

若さが溢れてるわね!皆真剣な眼差しして。青春というか、なんというか…って考える事自体、年取った証拠かしら。

悠は借り物障害物競走と1000mリレーに出るって言ってた…と考えながらプログラムを開く。

綱引きやムカデ競走の後、借り物障害物競走が始まった。悠がスタートの位置につくと、
「きゃぁぁぁ〜!悠センパ〜イ」
と黄色い歓声が飛ぶ。
…アイドルかっつーの…。

でも、確かに顔立ちはキレイだし、スタイルもいいし。
……いやいや、何を考えてるんだ、私は。
ブンブン頭を振る。
そんなことを考えてるうちに、ピストルが鳴り響き、悠がスタートする。

緑の網をくぐったり、麻の袋に入ってピョンピョン跳ねたり、小麦粉の中から飴を探したり…。最後に糸で吊り下げられてる紙をジャンプして口で取って、中に書かれてるものを借りてゴール…らしい。なんでも体育祭の目玉なんだとか。

悠が顔に小麦粉いっぱい付けて走ってるのを見ると、なんだか笑える。いつもはあんなに大人っぽい悠が…。
なんて、心の中で笑っていた時。

口で取った紙を開いた途端、こっちを悠が向く。一瞬、バチッと視線がぶつかった音がした気がした。
すると、こっちに向かって急いで走って来る。
「美月先生!オレと来て!」
「えっ?」
有無を言わせず私の腕を引っ張って校庭に連れ出される。
救護用テントの内外から、「いやーっ!」とか、「きゃー!」って女の子達の声が起こる。
視線が突き刺さる様で背中が痛い…。
訳もわからず私は腕を引っ張っられたまま、一周走って一位でゴールした。
私は肩で息をしながらゴール横でへたりこむ。
い、一体…、なんて書いてあるのよ…?
係の人が悠の渡した紙を見て、
「メガネの人、よしOK!一位おめでとう!」

あ…メガネ、ね…。
ずり落ちたメガネをかけ直した。
悠が手を挙げると、悠のクラスから大歓声をあがった。


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