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キズ
【純愛 恋愛小説】

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キズA 〜変わる日常〜-1

〜変わる日常〜
県立藤空高校 3年2組 高見 有栖(たかみ アリス)

私の通う高校には、不思議な人物がいる。それは村尾 詩音(むらお シオン)と言う妙に女くさい名前の男子生徒だ。パッとみはそこそこ身長もありスタイルも良いんだけど何が不思議かと言うと、何時も前髪を目の辺りまで持ってきて目を完全に隠しておりこっちを見ているのかいないのかイマイチ掴めない男子生徒だ。そんな彼に昨日はナンパから逃げる為に彼氏役になって貰ったがその時に色んなことを知ることが出来た。顔を髪で隠すのは話してくれなかったが、珈琲が苦手でココアが好きだと言う事を知ったし話して見ると意外と面白いと言うのも昨日知った。昨日知った事が沢山あったがその中でも1番の謎が親が家にいないという暗い話題を知ってしまったことだ。昨日別れてからずっと考えていた事はなんで家に親がいないのかとか、なぜ髪で顔を隠すのかとかで色々考え過ぎて眠るのが遅くなってしまった。(はぁ、でも髪の事は聞かなければ良かった。あの時まで良い雰囲気だったのに)
とか悶々と考え事をしながら歩いてると後ろから声をかけられていた。
「おはよう有栖、……おーい有栖聞こえてる〜?」
「あっ、優ちゃん」 後ろから声をかけてきたのは中学からの付き合いがある。小上 優那(おがみ ユウナ)ちゃんだった。
「おはよう、ゴメン、考え事してて気付かなかった」
「もう、有栖は歩きながら考え事しない。危ないぞ」
「はぁ〜い」
「分かれば、よろしい」
優ちゃんは、何にでも真剣に相談にのってくれる。一番の親友。
「ねぇ、優ちゃん」
「ん?何、有栖また何か悩み事みたいだね。話してごらん」
「うん、うんとね。あのね、……………」 昨日あったことを全部話してみた。クラスメイトの一人に昨日助けて貰った事彼の謎な所等を全部話したら。 「ふぅ〜ん、村尾君ねぇ私はクラスが違うから分かんないけど、有栖は相変わらずモテますな」
「もう、人事だからって。こっちは大変なんだよ」
「ゴメン、ゴメン。でも、その村尾君多分私達の事が苦手なんじゃないかな」
「何で!?」
「敬語って年上の人には良く見えるじゃない、……何て言うのかな……距離感がある感じがしない?」
「う〜ん言われてみれば」
「そうでしょ、だから人見知りする様なタイプじゃないのかな、その人は」
「なるほど、だから敬語なんだ」
「分かんないよ、あくまで私の考よ」 「ありがとう」
それから、学校に向かうまでは他愛もないお喋りをした。


「眠いなぁ〜」
「どうしたの有栖?」「昨日少し寝るのが遅くて、3時間位しか眠ってない」
「それはまた、遅くに寝たね。保健室で少し休んで来たら?中津先生なら休ませてくれると思うし」
「う〜ん、どうしようかな」
「授業中寝てて先生に怒られるよりは、良いんじゃない?」
「……そうだね。そうする、それじゃ今から保健室行ってくるね。お昼一緒に食べようね、後でメールからするね」
「ん」
と言いながら優ちゃんは自分のクラスを目指した。
「さってと、保健室に行きますか」
保健室に向かうと先客がいたらしく中から話声が聞こえた。


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