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シスコン
【コメディ 恋愛小説】

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シスコン『第六章』-3

「あっちぃ………殺人的な暑さだな…。」
秋冬はコンビニに向かっていた。
「いらっしゃいませ〜〜。」
秋冬はコンビニに入った。真っ先に飲料水のコーナーに向かう。
「お茶……お茶………。」
「あっ、なにしてんのぉ?」
秋冬は声のした方を向いた。
「あ、千里……お前こそなにしてんだ?」
千里だった。
千里は笑って言った。
「いや、暇だから…今から秋冬君家行こうかなって、澄君といって………。」
「澄君?」
秋冬はその『澄君』が、誰だかわからなかった。千里が笑う。
「作山澄でしょ?忘れたの?」
秋冬は思い出した。
「あぁ、そんな名前だったな。」
「忘れてんじゃねぇよ四世弟。」
澄が秋冬を小突いた。
「あぁ、久しぶり。」
「おぅ。」
澄はいひひっと笑う。
「で?今からオレん家くるんだって?」
澄は思い出したように言う。
「あぁそうそう。いいだろ?どうせ暇なんだろ?」
秋冬は微笑む。
「暇じゃねぇよ。今大変なんだ。」
「えっ?なにかあったの?」
千里が心配そうに秋冬を見る。
「あぁ。お前達の力がいる。」
「OK!貸してやろうじゃねぇか。んで?何があったんだ?」
秋冬はその全てを話した。
「……マジで?まだ終わってねぇの?」
秋冬はうなずく。澄は笑った。
「いひひひひひ!!!そりゃぁいいや!!!四世姉をからかえるじゃん!!!」
「姉貴を……からかう?」
「うわぁ……澄君…命捨てたね。」
澄は笑う。
「大丈夫だって。」
秋冬は澄の肩を叩く。
「骨は拾ってやる。」
そのまま秋冬はコンビニを出る。
「骨は海にまけばいいのかなぁ?」
千里はニコッと笑って秋冬について出る。
「オレの骨は故郷のおっかぁに渡してくれ……っておいっ!!!」
澄のノリツッコミは、清々しいほどにスルーされた。





「だいたい前提がおかしいのよ。」
春夏が数学の宿題をしながら言う。優魅は手を止めた。
「秋冬が私の事好きなわけないじゃない。あの子私を避けてるし。」
春夏は優魅を見る。
「………あんたが居場所になりたいなら、なればいい。」
春夏も手を止める。
「でもその居場所に秋冬はいつもいてくれるの?」
『カチャッ』
「ただいまー。」
「「…………。」」
春夏と優魅は何故か黙る。
「姉貴、助っ人呼んできたぞ。」
「こんにちは。」
「よう、四世姉。」
千里と澄が秋冬の陰からひょこっと出た。


「四世姉も馬鹿だなぁ?まだ宿題終わってねぇのか?小学生じゃあるまいし………、」
春夏は立ち上がった。優魅のおかげでイライラしていた。それを、澄に向けた。
春夏は澄の股間を蹴り上げた。
「はぅっ!!!」
澄の悲しい断末魔が部屋に響く。
春夏は澄を逆さにして、持ち上げて、高く掲げた。
「死んでこい。」
そしてそのまま澄を振り落とす。
その部屋にいた誰もが思った。
春夏はプロレスラーになれると。
『ゴンッ』
澄は後頭部を強打した。そのまま動かなくなる。春夏は鼻をならした。
「……死んだんじゃね?」
秋冬はつぶやいた。
「だから言ったのに……。」
千里は澄をつつく。
「さ、宿題宿題っ。」
春夏はテーブルに向かった。
「………こいつ何しにきたんだ?」
秋冬の虚しい質問には、誰も答えを用意できなかった。


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