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貴方の妻にしてください
【熟女/人妻 官能小説】

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貴方の妻にしてください3-1

第三話  萩原 一也 

「結婚体験 貴方の妻にしてください」 
には、利用者にも条件がある。
50歳以上 未婚 
結婚経験なく50を過ぎた男性というのは
今時、それほど珍しくなくおられることだろう。
ただし、望んでその人生を選んだという割合は
低いかもしれない。

将来の期待を捨ててもいない。
出会いはいつ飛び込んでくるか分からない。
恋愛、結婚などは事故にあう時のように突発だったりする。
「男」であることも捨ててはいない。

だけど、それよりも「夫婦」というものには
安らぎや安心感、温かい関係を強く望む。
結婚を理想や願望と結びつけるなら
あきらめという結果が現実に見えてしまうのだろう。

一般的理想といっても、それらは「言葉」でなく「形」にすると
いかにも、様々な色や形へと変化するものだ。
「夫婦」のあり方を一言で理想として一くくりにはできないのだ。

萩原 一也もまた 自分の色、形 理想を持っていた。
なかなか叶うのは難しいだろう
そして 「結婚体験 貴方の妻にしてください」に申し込んだ。

53歳独身 教育関係者として真面目に勤めている。
温厚で責任感が強く、人望も厚い。
容姿も整っている。
周りの人間には彼の独身が不思議でならない。
あらぬ噂を流そうにも、思い当たる問題がないのである。
女性嫌いか、といえばそうでもない男女別なく柔らかな当たりで男同士の下ネタにも怪訝な様子はない。
何かと結婚を勧める話も多かったが、ここ2、3年周りのあきらめも見えてきた。

京香が、今日の利用者一也の妻である。
午前十時から午後五時までの契約時間内、夫婦らしいことなら何をしても許される。外出は禁止、マンション内だけの七時間というのが約束ごとだ。
ただし、今回だけは多少のオプション付きである。
オーナーから送られてきたカルテとも呼ばれるリストには利用者の細かな情報と希望が書かれている。
京香はしっかりとインプットし「夫」を理解し、愛する。
最高の理想の妻とならなければならない。

今回特別なオプションも了解した。オーナーからの直接の連絡もあった。
そんな例は稀である。
オーナーは前もって利用者と会談している。
京香たち女は、利用者に対してというよりもオーナーに絶対的な信頼を寄せている。
オーナーがよこす仕事なら断る理由は何もないのである。

心地悪い・・・
慣れない紙パンツはゴワゴワしている。
介護用のリハビリパンツというものらしい。赤ん坊用のそれとは違って全体にゴムのギャザーが入っていて腹部臀部はぴったりしている。
ただし、尿を吸収する部分はさすがに分厚く、股をピッタリと閉じても間でモコモコしている。
さらに、尿パットという生理用ナプキンの10倍はあるようなパットまで・・・。

それを自宅からすでに装着しておくように。
というのが、オプションだった。
自宅、、、そう、京香も正真正銘の「人妻」である。

どうも歩き様が不自然で、家族に気づかれまいかと苦労した。
何とか、いつものように家族を送り出し
京香も「ここ」にやってきたのである。


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