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貴方の妻にしてください
【熟女/人妻 官能小説】

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貴方の妻にしてください-1

第一話 「畑中 洋一」

「ピンポーン」 マンションの一室にチャイムが鳴った。
午前10時ジャストだった。

真由美は鍋の火を小さくして手を洗い玄関へと向かった。
畑中洋一 65歳 結婚歴なし独身老齢の両親をみながら休日の学校などの留守番としてパート仕事をしている。
理想の妻は 明るくて優しい女性 ごく普通の結婚生活を体験するのが希望。
呼びかけは「洋ちゃん」 手料理のリクエストは鍋だ。
真由美という名前も当然、洋一の希望だった。

真由美は「洋ちゃん・・・ね、よしOK」と小さく口に出して一呼吸してからドアを開けた。

「おかえりなさい。洋ちゃん お疲れ様・・・」
笑顔で迎える。
畑中洋一はまだ 緊張している様子で声がでない。
促されるままに玄関に入り、ドアを閉めた。

「寒かったでしょ〜?あ、鍵しめてねっ」
手に持った荷物を受け取って、真由美が先に部屋に入っていった。
おそるおそる様子を見るようにコートを脱ぎながら真由美の後を追って入った部屋は和室になっていた。
これと言った家具はないが洋服ダンスがおいてある。

真由美は和室の隣のリビングの椅子に荷物を置き
「ここに置いとくね」と荷物に目をやりながら洋一に近づいてきた。

脱いだのはいいがどうすればいいのか分からずに腕に持ってぼーっと立っている洋一からコートを取りハンガーにかけて和室の鴨居に掛ける。

「お・か・え・り・なさい・・・」40になったばかりの真由美には65歳の洋一は父親ほどの年の差ではあるが、独身のためか所帯じみたくたびれ感はなかった。
親の世話に追われ、とうとう結婚の縁を逃してしまっていた
ようである。
洋一には少しばかり障害もあった。
腰の骨の変形か足の障害なのか、病弱だった幼少に栄養不良もあったのかも知れない。
歩く時には足を引きずる。ただそれだけで特に支障はない。

女性を知らないわけでもなかった。
だか、両親の世話という負担など考えると結婚をあきらめてしまっていた。
それでも、一度でいいから結婚生活、夫婦生活というものを味わってみたいと
「結婚体験、貴方の妻にしてください」をネットで知り申し込んだ。

朝10時から午後5時までの7時間の契約。
それを午後5時から夜中の12時という仮設定で仕事帰りから寝るまでの夫婦の生活を体験できるシステム。

もちろん、時間内は夫婦らしいことなら何をしても良い。
朝のままの環境設定を望むならそれも良し。
カーテンを厚くひけば夜設定というわけだ。
ただし、マンションの室内限定。外出は禁止されている。

申し込み要項には 細かいアンケートリストがある。
理想 要望も当然書き込めるが、個人的な情報もかなり細かく質問されている。夫婦という「関係」を7時間満喫するにはそれなりの情報は必要なのである。
「カルテ」ともいえるその情報を真由美はしっかりとインプットして
「妻」しかも、それぞれの男の理想の妻にならなければならないのだ。


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