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狂い咲く想いを揃えて
【調教 官能小説】

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狂い咲く想いを揃えて-2

彼は本当に再婚した。
私も知らなかった彼女の存在。
正直、呆れた。
ショックよりも。
私の言うこと何でも聞くのね、あんたは。
馬っ鹿じゃないの?
おめでとうは言えない。
お幸せに。


なんだ。
結局、私の独りよがり。
『彼は私のことが好き』
すべては私だけの自意識過剰。
いろいろ気にして損した。
もう彼とは会わない。
なんだか自分が惨めで格好悪いからだ。


元々、私は冷めている。
恋愛にも日常にも人間関係にも……SEXさえも。
結婚は「この人しかない!」と思った時にする。
焦っても無意味だ。
今も独身。


ある日ふと風の便りを聞いた。


彼が煙草を止めた。
煙草嫌いの私のせい?
まさかね、奥様が妊娠とかしたかもね。

彼が本を読んでいる。
私が「オススメ」と言った分厚くて難解な小説だ。
苦心しながら1年がかりで読破したんだって。

彼が指輪の付け方を変えた。
私が「この指にしては駄目よ」と何度も言ったのが、今さら…。

他にもいろいろ知ってしまった。

………ぷっ、笑っちゃう。

なんで?
なんでなんでなんで?
なんでなの?
止めてよ。
期待しちゃうよ。
私の心をかき乱さないで。
ほら、こんなに切なくなっちゃった。

今さら遅いよ。
何も言わないあんた。
何も言わないなんて狡すぎる。
ねえ、なんで私なの。
ねえ、なんで私と揃えるの。
ねえ、言ってもいいの?


「離婚して」



彼は本当に離婚した。


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