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崩れる日常
【初恋 恋愛小説】

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二人の日常、3-1

「お前元から活舌悪かったの知ってるけど
今日は特に何言ってるか分からないぐらい酷いな。」
「ええ…。舌噛んじゃいまひて。」

今会話中なのは一話以来の登場(紹介程度)の内海さん。
二つ年上で彼女持ち。

この人は気さくで兄貴肌、ここまで聞くと
単なるいい人だが
元ヤンで遊び人といった
いいとこ悪いとこ合わせ持った人だ。
そして一応そうゆう意味では恋敵Cかもしれない。


「最近お前池上さんとよそよそしいな?喧嘩中か?」
「そうでふか?そんなつもりはないでふけど。」

俺の舌に傷痕を残してしばらくは確かに怒り気味だったがもう仲直りした。

というよりは関係がばれないようにお互いバイト中は気を使ってるせいでそう見えるのかもしれない。

「皆お前等の仲は怪しいと思ってたんだけどなぁ。」
「ご期待に添えずすいません。」
「ふ〜ん。どうだかなぁ…。てかちゃんと喋れるなら最初から喋れ。」

まだ疑っているようだ…
誘導尋問されない内に仕事へと逃げよう。

一応千裕も居るんだが全然喋っていない。
たまにアイコンタクトを交わすぐらいだ。

さっき休憩被った時もビクビクだった。

いや、別にやましい事をした訳じゃないんだよ?
そんなまさか仕事場でなんて…するわけ…
……しました。


ふと目をやると内海さんと千裕、それに西村さん(同じく再登場)がなにか喋っている。

さっきの内海さんの様子から考えると凄い気になる。

耳を澄ましてみる。
聞かなきゃ良かったと後悔する事になるとも知らずに…

内「西村さん彼女いないだろ?
今度友達連れて池上さんと合コンすりゃいいじゃん!」
西「え〜!マジで言ってんの?」
「マジですよ!マジ!」
「え〜…じゃあお願いします(笑)」


…聞き捨てならないんですけど……

千裕は…
笑ってるだけ
否定もしない

訳が分からない。
千裕は彼氏がいても平気で合コンなんかに行けて他の男達と遊べるような人なのか…?
…それとも…もしかして俺とは遊びなのか?

…そうなのか?

今まで信じてたものが崩れていくような気がした。

つい先ほどの休憩室での千裕との出来事さえ忘れて
俺の頭の中は
不安
猜疑
そして憤り…
それらの負の感情で満たされそうになった。

きっとまだ今なら千裕の一言、せめて何かしら弁解のモーションだけでも救われたかもしれない。

しかし彼女は俺の視線に気付く事なく話し続ける。
聞きたくも無い話を…

少しでも遠ざかろうとタオルを洗濯機に回すため
タオルの入ったかごを持ち上げ歩きだす

洗濯機にタオルを乱暴にぶち込む。

重い足取りで戻っていく…
まだ話しているようだ。


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