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【純愛 恋愛小説】

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あっという間に教室に着いた。
私と田山の席は離れているので手を離さなければいけへん。
せやのに私は手を離せんかった。
「あ…」
パッと田山の手が離れた。
"寂しい"そう思った。
「暖かかったな」
ポツリと田山と握っていた手を見ながら呟く。

「あ〜おちゃん♪一緒に帰ろ?」
「良えょ」
最近田山とは毎日登下校するようになった。
「まだなん?早よしてや〜」
「靴が小さくて履きにくいんだもん!」
「そんなん知るか。買ったら良えやないの」
「お金ないも〜ん…いぃや。踵踏んじゃお」
「履けた?ほな行くで」
--ギュッ-
田山は登下校時に必ず手を握ってくれる。
それが何だか嬉しかった。
「またなん?田山は甘えたさんやな〜」
「だって好きな子とは何時だって触れていたいでしょ?」
"好きな子"と言われ私は顔が赤くなったのが解った。
「キザなやっちゃな」
「青ちゃんは特別だもん」
「わ〜かった解った」
田山と居る時間はやけに短く感じた。
「…ほなね」
いつも家まで送ってくれる田山。
「うん、じゃあね♪また明日の朝ね♪」
バイバイと笑顔で手を振りながら帰って行く田山。
「ぷ、どこの漫画のワンシーンやねん」
田山の姿を見届けて家に入る。

--ピピピ-
「はい」
『あ、青ちゃん?田山だけど今平気?』
「え、平気やけど…」
『良かった♪あのさ、明日暇?』
ん?これはもしや…
「暇やで」
『あ、まじ?日曜日だから会えないじゃん?だから遊ばない?』
デートきた-(・∀・)-
「良ぇよ」
『本当!?やった!!じゃあ、明日10時に駅で』
「了解」
--ピ-
「何着ようカな」
「姉貴〜…って何にやけとんの?」
「は?にやけとらんわ」
「にやけとるわ。気持ち悪〜」
「うるさいわはげ。何か用ちゃうの?」
篠崎 龍(しのさき りゅう)同じ高校の1年生。私の弟や。
ムカつく奴やけどめちゃモテんねん。1年を代表するモテ男。姉としては鼻が高いわ。
「…何でもないわ呆け。デートか?」
「せやで。龍も早よ彼女作りいや」
「…俺が作らへんのはなちゃんと理由があんねん」
「え?何?」
「俺は…青が」
--ピピピ-
「あ、御免ちょお待って」
「も、もう良えわ!」
--バタン-
「?何やのあいつ」


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