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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-186

「はぁっ……ん……あ……やぁ……そんなに、つよく……しないで……」
 当然、握力もある。それが、胸を揉むときの抑揚の激しさにつながり、波打つように身体を走り始めた快楽を、桜子はたまらないような声を出しながら受け流すのが精一杯だった。
「ど……どうしたの……大和君……んっ……んぅっ……」
 渦を巻き始めた火照り。その熱さを含んだ吐息と共に、桜子は言葉を紡ぐ。
「ご、強引……だよ……どうしちゃったの……?」
 触れあいを、彼から求めてきたのは嬉しい。しかし、それ以上に今は戸惑う想いも強い。ゆっくりと優しく情愛の行為を始めてくれる彼なのに、今日は背中からいきなり抱きついてきて、しかも、胸を揉むその手つきには、これまでになかった荒っぽさがあった。
「いやかい?」
「そ、そんなこと……ないけど……」
「そう」

 むにゅむにゅっ…… むにっ、むにっ、むにっ……

「ひっ……ん、んんっ……あっ……んあっ……」
 桜子の惑いを押さえ込むように、大和の両手が縦横無尽に円を描く。様々に形が変わるその乳房は、搗きあがった餅のようである。
 それがこねまわされるたび、甘く痺れるような刺激がびりびりと通電していって、桜子の脳内に白い光線を幾重にも生み出した。
(す、する気……なんだぁ……)
 性的な触れ合いを望んでいるからこそ、愛撫が注がれているのである。自分を興奮させ、快楽を引き出そうとする明らかな意志が、大和の指先には込められている。
(どうしたの……かな……いきなり……)
 思いもかけない大和の積極的な愛撫に、桜子の戸惑いは続いている。
「あっ……んっ……ふ……くっ……」
 しかし、それを問うための言葉は形にならず、代わりに、興奮を相手に伝えるための、艶のある吐息が唇から漏れるだけだった。
(あぅ……だめ……頭、じんじんしちゃう……)
 やがて、そんな戸惑いも、甘い痺れが起こす脳内の霞みに溶け、桜子は享楽の悦びに心を委ねるようになった。
「あ……はぁ……んっ……んっ……」
 乳房を下から押し上げつつ、大和の指が張りの中に沈む。刹那、柔らかい双丘の深奥に隠されている愉悦の実がパチパチと弾けて、全身に快楽の種子をばら撒いた。

 ふっ…

「んひぁっ……!」
 さらなる刺激を、うなじに受けた。胸から滲んでくる快楽に没入していただけに、別の場所に与えられた思いがけない攻撃は、桜子の身体を激しく震わせた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
 熱い。体が、とても。鼓動の高鳴りは激しく、細かく息をしても少しも落ち着きを見せない。昂ぶりの加速度は、いつもより大きい。
(なんで……かな……すごく、いい……)
 激しさと荒々しさを伴う愛撫だというのに、それを受け入れて、しかも、いつもより燃焼を早めている自覚が桜子にはあった。
「んっ……く……」

 もみっ、もみもみっ…

 むにゅっ、むにゅっ、むにゅっ…

 もみもみもみっ…

「あはぅ……くっ……んっ……んぅ……あっ……あんっ……」
 画一的な動きをしていたかと思えば、大きな抑揚をつけてバストを揉まれる。指先で小刻みな刺激を交えながら、手のひら全体で押し込んでくるように…。
「んあっ……はぅ……んっ……くふっ……んんっ……」
 桜子の意識はさながら、勢いの違う風に煽られて乱れ舞うカーテンである。大和の愛撫に曝され、それが生み出す“悦びの風”に翻弄されることしかできない。
 


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