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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-185

「由梨さん、こんばんは」
「あら、大和くん。いらっしゃい」
 慣れているのは、由梨も同じことであった。
「せっかくだから、何か食べる?」
 厨房の奥で龍介のために簡単な夜食を用意していた由梨は、大和の姿を見つけるなりそう言ってきた。
「あ、いえ、大丈夫です。おかまいなく」
 ただ、大和は22時以降の飲食は極力節制しているので、由梨の申し出は断ることにした。“まんぷく”で、夕飯もしっかり平らげているから、これ以上は過食になり、身体にも良くない。
「それじゃ、あがらせてもらいます」
 断わりを入れてから二階に上る。そのまま、直近の部屋に入ると、手元でスイッチを探り電気を点けた。繰り返すようだが、随分と慣れているものだ。
 その見慣れた桜子の部屋だが、女の子の居場所として見れば飾り気は少ないものの、細かいところまで整頓が行き届いているので、いつ来ても清潔感がある。
「………」
 そのうえ今日は、なんとなく空気に甘い香りを感じた。
(同じだ……)
 その香りは、昼の部室でも漂っていたものだ。自慰行為によって、彼女が残していったものと同じ…。
 桜子は、随分と自慰に慣れている様子だった。己の性感帯をピンポイントに突いて、気持ち良く昇りつめていける術を持ち合わせているのは、何度もその行為を重ねてきたからに違いない。
 そしておそらく、彼女が一番自慰を重ねてきた場所は、この部屋に間違いない。部室で感じたそれよりも、桜子の香りをはっきりと想起できるというのは、隅々まで彼女の発したフェロモンが沁みついているからなのだろうか。

『ん、んぅっ、ふっ、くっ、んくっ、んぅっ、んんっ……!』

 連想ゲームのように、香りから始まる感覚の想起が、今度は聴覚にまで及んだ。何かの媒体に焼き付けたような、はっきりとした彼女の甘い声が、耳の奥で妖しく響く。
 それが、大和の中に潜んでいるエゴを再び揺すぶった。

 たっ、たっ、たっ…

(来た)
 階段を駆け上ってくる爽快な足音は、桜子のものである。龍介は自重があるので軋む音が混じるし、由梨の場合はもう少し軽い音になることを大和は知っている。
「………」
 桜子が部屋に来ることを予測した大和は、ドアが開いた時、死角となる位置に立った。その動きは、淡々と獲物を狙っている狩猟者のそれに等しいものだった。
「待たせて、ごめんね。……あれ?」
 勢いよく開け放たれたドア。慌てたような息遣い。自分を待たせまいとする気持ちがいっぱいで、それが健気で愛らしい。
「いない? あれ? あれっ?」
 大和が居るものと確信して、全く疑いもしなかったのだろう。その場に居るはずの姿を確認できなかったことに、桜子は激しい狼狽を感じているようだ。
「トイレ、かな……?」
 後ろ手にドアを閉める桜子。振り返れば、大和の姿を目の当たりに出来るのだが、背後に意識のない桜子には、無理な話である。
(………)
 その無防備な背中を、大和は見ている。ノースリーブの白いシャツは微かに透けて、桜子の健康的な肌の色と混ざり合っていた。
 スイッチは、もう入っている。大和は声も出さず、静かにその背中に近寄り、
「あ、きゃっ……!」
 桜子を背中から抱き締めて、豊かな胸を両手で下から鷲掴みにした。
「え、ちょ……な、なに……!?」

 むにゅっ… むにむにっ…

「んっ……あっ……ちょっ……んっ……!」
 手の平いっぱいに広がる柔らかい感触。それを、抑揚をつけながら愉しむ。
「な、なに……大和……く……ん、んっ……」
 身を捩じらせ、胸への愛撫に抗いの仕草を見せる桜子であったが、背中からしっかりと両腕で抱きすくめられており、思うように動けなかった。
 体格こそ桜子のほうが優っているのだが、細身に見える大和の筋肉は、想像以上の逞しさがあり、それを振りほどくことは不可能に近い。


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