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崩れる日常
【初恋 恋愛小説】

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二人の日常-1

夜11時。
俺はある考え事をしていた。
今日の電話で池上さんの気持ちを確かめたい。
よっぽどな人では無い限りカラオケでの出来事から考えると「俺と同じ」とまでは行かなくても、近い気持ちを持ってくれているんではないだろうか?

でも不安も大きい。

俺は自分に自信がない。
今まで恋愛の経験がない。
女の人の気持ちが分からない。

もしかしたら単に雰囲気に流されての出来事?

今時の女の子なら分からないもんだよな…。


色々考えたが
実にシンプルかつ今までの自分からは予想もつかない大胆な答えに到達した。

考えて分からないなら
直接本人に聞けばいい。


今日のバイトの時から続いていた葛藤に答えを出す。
すると同時に携帯がなった。

相変わらずタイミングのいい人だな。

苦笑を浮かべながら携帯をとる…


「もしもし〜?」

最近は池上さんといるときは凄く落ち着く。
だからこのときも緊張する事はなかった。

「仕事お疲れ様。」
「バイト終わった後少し皆で喋っちゃって遅れちゃった。ごめんね。眠くない?」
「子供扱いすんなよ〜。全然平気だよ。」
「そう?ならよかった。しかも今日木村さんに食事誘われてさ〜。断るの大変だったよ。」
「食事の後に電話してくれても良かったのに。」
「でも面倒くさいってのもあったし。」


――――もしもし?―――
(電話待ち遠しかった)

―――――眠くない?――
(寝ていたとしても出るよ)

――――断ってきた。――
(もしかして俺の為に?)


声には出さない本音。
気持ちを隠すのは慣れている。
そうゆう人一倍臆病な生き方をしてきた。
でも今日だけは変わらなくてはいけない。

踏み出す事に躊躇いを覚えるのは大切だから。
そして大切だから踏み出さなきゃならないんだ。


話題は昨日のカラオケの事に変わっていた。
こちらから話を切り出すにはちょうどいい話題だ。


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