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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『STRIKE!!』(全9話)-219

 [櫻陽大学]

1番:津 幡  薫 (捕 手)背番号 19A
2番:風 間 康 利(二塁手)背番号  4B
3番:二ノ宮 昭 彦(中堅手)背番号  3C
4番:管弦楽 幸次郎(一塁手)背番号  1@
5番:鈴 木  寛 (遊撃手)背番号  8C
6番:習志野 浩 平(左翼手)背番号  9B
7番: 林  光 男(三塁手)背番号  5B
8番:間 島 三 郎(右翼手)背番号 24A
9番:醍 醐 京 子(投 手)背番号 17@

[控え]
今 井 裕 二(背番号11)B
関 本 篤 朗(背番号20)A
真 田 博 敏(背番号 2)A
丸 井 伸 介(背番号15)@
山 波 潤一郎(背番号30)@

 [監督]
   日 内 十 蔵
 [顧問]
   赤 坂 朔太郎



「近藤晶が3番だと?」
 中堅の守備に向かう途中、スコアボードに記された相手チームのスターティングオーダーに、二ノ宮は不審を覚えた。
 彼女の打力は城二大において屈指の実力があるのは良く知っている。しかし、頑ななまでにこれまで9番を打ち続けていたものが、突然クリーンナップに名を連ねているのだから、疑念は無理からぬところである。
「先発は、今井じゃないのか」
 同じ不審は、先攻めということでベンチに居並ぶ城二大の面々も抱いている。前期に対戦したときには名前もなかったはずの選手が、しかも、先発のマウンドに登っている。
 エースであるはずの軟投派投手・今井の先発を疑っていなかっただけに、やや脚をすくわれたような感であった。
「あ……」
 1番を打つ長見がウェイティングサークルの傍で、投球練習を始めた京子の姿を見て、なにかを思い出した。
「長見?」
 斉木の問いに答えることもなく、視線をマウンドに向けたまま長見は言葉をなくしている。
(“義侠のお京”? 見間違い……じゃ、ねえな)
 賭け野球にいた頃、晶のマネージメントは全て長見が請け負ってきた。彼は助っ人を務める試合を選ぶとき、その中で気をつけていたことが二つあり、ひとつは“金額の多いところ”そしてもうひとつが“義侠のお京とブッキングしないこと”であった。
 賭け野球の世界において、晶に次ぐ実力者という評判は長見の耳にも届いていた。実際、その評価を確かめるために、わざわざその試合を見に行ったこともある。なるほど言うだけのことはあり、その試合で彼女は投打にわたってひとりでチームを勝利に導いていた。 
 負ければ大量の違約金を支払わなければならない世界で、危ない橋はわたりたくないものだ。従って、徹底的に彼女とのブッキングを避けてきた。
(まさかリーグ戦で助っ人なんてあるわけねえしな)
 しかも相手は軟式野球界の盟主ともいうべき櫻陽大学。どうやら、彼女も晶と同様に、本気の野球に鞍替えしたとみるのが、妥当だろう。
(しまったな……)
 観戦した試合は何度かあるが、それほど真剣に見ていたわけではない。直接対戦したこともないから、彼女がどんな投手だったか、長見はよく覚えていなかった。


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