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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『STRIKE!!』(全9話)-142

「そう、ですね……おしり……いろいろ出たり入ったりで…………ちょっと苦しいです……」
 ぬるま湯、汚泥、肉筒、高圧ガス……確かにその小さな窄まりには、苛烈な責めが続いてしまったようだ。
「そうだな、やめとくか」
 長見は、ローションと腸液にまみれたスキンを取り去った。内側のぬめりは、自らの先端から溢れたものだろう。
 正直、張り詰めていたものを放てないまま終わるのは忍びないが…。
「あ、おい……」
 ふいにエレナが、肉筒に触れてきた。後ろを向いたままなので、尻の間から伸びてくる腕が妙に艶かしい。
「お、おい…やめとくんじゃ……」
「おしりはやめます……でも……」
 そのまま位置を微妙にずらすと、ぽたぽたと愛蜜を零す媚肉に先端を押し当ててきた。
「こんどは、こっち………こっちで……エイスケの愛を……いっぱい……ください……」
 逡巡する長見の意思も顧みぬまま、腰を落とすエレナ。
「あ、入って……入ってきます……んっ、んん……」

 ずぶ、ずぶ、ずぶ…

「う、うわ……すげぇ……飲み込まれるみてぇ……」
 今まで収まっていたところとは全く違う、大らかな暖かさが、長見の腰に広がってきた。たちまち心が、熱いもので満たされていく。
「は、はぁ……あっ……あっ……」
 腰が上下するたびに、肉筒に優しく溢れるエレナの体温。激しく喰らいついてきた蕾とは、全く違う触れ方をしてくれる。
「エレナ……やっぱ……こっちのほうがいいかも……」
 じわじわと心の中が、触れ合う温度に対する愛しさに満ちてゆく。
「YES……わたしも……」
 邪道と正道。
 二つの快美感を計りにかけると、快楽の振り子は邪道に傾くが…、
「あっ……あたたかいです……エイスケの……とっても……」
「あ、ああ……俺もだ……俺も……すげ……あったかいよ…」
 情愛の振り子は正道に傾く。
「あ、イクッ………」
「そうか……いいぜ……俺も……すぐ……」
 それは、静かな昂ぶりだった。それまでの、狂気にも似た交わりが嘘のような。
「あ、あ、あ、んっ!」
 びくり、と震えるエレナの胎内に、
「くっ」
 欲望に情愛を乗せて、長見は全てを解き放ったのだった。





「はっ……あっ……ん……」
 渚の目の端に滲む雫。それを、舌で撫でるように悟は舐め取った。
「渚……痛い?」
「ん……ちょっと……痛い……」
 下腹がずきずきと疼く。
「でも……なんか……あったかい……」
 それ以上に、胸に広がるものがあった。
「このまま……さとる……このままで、いいか……?」
「うん、いいよ」
 初めて男を迎え入れたのだ。きっと、相当な痛みが身体を走っているだろう。
 悟は、渚の頬を優しく撫でてあげる。そして、かるく唇にキスを送る。貫かれた痛みの中で、少し苦しげに呼吸をする愛しい少女を安心させるために。
 効果は……あったようだ。
「なんか……信じられないよ……」
「うん?」
「オレが……女になったなんて……」
 悟が、もう一度、渚にキスをした。
「? さとる?」
「好きだよ。愛してる」
「っ」
 小麦色の頬が、はっきりと紅く染まっていた。


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