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ロッカーの中の秘密の恋
【教師 官能小説】

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ドアの向こうの彼女-2

昼過ぎ、揺さぶられて目を開ける。
「先生、そろそろ会議です」
寝覚めが不機嫌なのは、そう起こしたのが茂木だったからだ。
「にゃんこは?」
「夏目さんは、出前の容器返しにいきました」
そういえば蕎麦屋から溜め込んだセイロ返せって電話かかってたんだった。
「茂木」
「はい」
「お前には別の女が似合うと思うよ」
「・・・・え?」
伸びをして、研究室を出た。取り残された茂木がどんな顔をしていたのかは知らない。
廊下で蕎麦屋から戻ってきた夏目に会った。
「ご苦労さん」
「いいえ」
足が綺麗なのだ。少し短めのスカートから伸びる足が今日はいっそう気になる。
「にゃんこ」
「はい」
「標本、やっぱりもう終わりにしとけば」
「なんでですか?」
「なんでも」
「後で話しましょう」
彼女が明らかにむっとしているのがわかる。
「おい」
すれ違っていく彼女に向かってかけた声が思いのほか乱暴だったが、それを遮る調子でさらに彼女は言った。
「後で」
なんにそんなむかつく必要があるのか。男はうぬぼれがちな生き物だ。思い上がりにも程がある、といわれてもしょうがない。遠ざかる彼女の足音が刺さるようだった。いらだち、開き直り、欲情、独占欲等等、諸事情の飽和によりぼくはその後、彼女をロッカーのなかに彼女を引っ張り込むことになる。


淫らな腰。女は曲線で動くから美しい。ぼくの上でくねる女の体からはいくばくかの恥じらいと、肉欲への執着がごちゃ混ぜにある。こっちを見ようともしない。それは快楽を堪能するためか、羞恥からか。
「にゃんこ、こっち見て」
上気した顔がちらりとこちらに視線ををよこす。ため息とともにかすれた声でイヤ、と言って彼女はまた没頭していった。この女ときたら。体が好きだと言った彼女だが決してあながち嘘ではない。男心はそういう軽薄な答えに大いに満たされたから結構だ。だけど、彼女の快楽に従順な体は誰が開いたのか、気にならなくはない。
ぼくの他愛無い要求が癪にさわったらしく頭を手繰り寄せて耳に歯を立てられた。びくついた体に反応してか肉がぎゅっと締まる。思わぬ動きにはじけそうになるのをなんとかやり過ごす。たぷたぷと目の前でゆれる乳房に、掻きたてられてその丸みに口をつけた。漏れたため息に気をよくして、腰を押さえつけて一番奥を刺す。
「ぁああぁぁぁん!!!!」
嬌声が天井に響く。彼女を家に連れ込むのは思いのほか手間取った。だけど、ぼくの家だという安心感からか今日は奔放に声を上げる。この声を聞いていると見境がなくなってしまう。全てを所有したくなるのだ。薄く赤い肌も、埒ない声も、ぼくの知らない日常も。彼女の冷静を取り上げるのにむきになってしまうのはすべてこの声のせいだ。


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