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impertinent teachar&student
【学園物 恋愛小説】

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impertinent teachar&student−5-6

『俺…じゃだめか?やっぱり』
『あなたは学生だもの。これから、まだまだ色んな人と出会うだろうから。私なんかかよりいい人が…』
『美雪より、いい人なんかいねーよ!なぁ?じゃ、俺が卒業したら、結婚しよう?就職先は決まってるし。それなら…』
『だめよ。もう私のわがままにつき合わせるわけにはいかないの』
小さく首を振る。
いつの間にか、彼女の目には涙が溜まっていた。
『わがままなんか、言ったこと…』
『ごめん。もう、決めたの…』
そう言って、彼女は立ち上がった。
『ごめんね。今まで、すごく楽しかった。ありがとう』
彼女は、着てきたコートを羽織る。
『ちょっと…待ってくれ!方法を考えよ?な?』
彼女の腕を掴みながら、言う。
そんな俺の手を、優しく払う。
『ごめんね、聖。大好きよ。』
ちゅっ。
軽く、彼女の唇が、俺の唇に触れる。
いつも、彼女が帰る時の挨拶だった。
『ばいばい』
そう言い残して、彼女は出て行った。

ばいばい…

いつもは次いつ会えるだろうとか、そんなことを考えていた。
だけど、図書館の職員も辞めて、彼女はもう二度と俺の前に姿を現すことがなかった。

彼女がいないのは分かっている。
でも、習慣とは恐ろしいものだ。
自然と図書館に足が向かう。
そして、いないはずの彼女の姿を…探してるんだ。

『おい、時任。お前、大丈夫か?』
同じ研究室の、友達が話しかける。
季節は春。
俺は4回生になっていた。
『…何が?』
『最近…ってか、今年入ってから、元気なさそーだけど…』
『大丈夫だよ』
そう言って、研究室を出る。

廊下の突き当りには、大学が設けた喫煙席があった。
何気に見てみると、同じ研究室のやつがいた。
そいつが、俺に気づいて手招きをする。
俺は、促されるままに入った。
『時任じゃん。お前、煙草やめたんだろ?ここになんか用かよ?』
『…いや、別に。…悪ぃ、俺にも一本くれ』
『いいぜ』
そう言って、一本貰う事にした。
久しぶりに吸った煙草は、むせそうになったが、体が覚えてるのだろう。すぐに受け入れた。
久しぶりに吸った煙草は、一時的にだが、美雪への思いを断ち切らせてくれた。


そうこうしてるうちに、また新しい彼女が出来た。
年は同じ。
学部は違うが、向こうが食堂でよく見かける俺に声をかけてきた。
告白され、断る理由もないから、付き合うことにした。
夏祭りが真っ盛りの時期だった。

彼女は、俗に言う美人だった。
すらっとした身長。
大きな目。
いつもたくさんの友達に囲まれていた。
性格も明るく、守ってあげたくなるようなタイプだった。

『ねぇ〜聖って一人暮らし?』
ある日、彼女にこう尋ねられた。
『…いや、実家。』
『嘘ばっかり〜伊藤君が、近所だって言ってたもん』
彼女は起き上がり、シーツを胸元まで手繰り寄せる。
俺は、煙草を枕元にあるライターを使って、火を点ける。
伊藤の野郎…後で、シメてやる。


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