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「本気の恋。はじめました。」
【大人 恋愛小説】

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「本気の恋。はじめました。(下)」-2

「美鈴〜おはよう!」
「おはよう!」
「なんかさー今日の山下さん変じゃない?」
「なっなんで?」
「なんか穏やかじゃない?」
「私も思った〜!」

まことと私の会話に突如乱入してきたのは、実景(みかげ)。
この店のNO1である。

「私…今日しかないと思ってさ!」
「なっなにが?」
「山下さんへ告白!」
「えぇー!」

私とまこと驚愕。

「山下さん今月で辞めるんだって!私、店長に話してたの聞いちゃって」
「えーショックー」

まことはノリ良く返事をする。

「だから私、今日穏やかなうちに言おうと思って!ほら、いつもは相手にしてくれなさそうじゃん?」

まさか実景が好きだったなんて…
変な不安がよぎった…
実景には売り上げ的には負けているのだ。
恋愛だって例外じゃないかもしれない。

ここは恋愛が仕事の場なんだから…

「がんばんなよ〜」

まことはきゃっきゃと騒ぐ。
他人の恋愛は確かに面白い…でも私は…

「じゃあ私、今日帰り告白しまぁすっ」

その日は実景も山下さんも見ることが出来なかった…

ぷるるるっ

「はい。」
「お疲れ。」

その日の夜、山下さんから電話があった。
私は出たく無かった。
きっと、実景の話が出るから…

「今日元気なかったね。どうした?」
「え?あ…」

告白をOKしてる訳でもない私は言葉に詰まった。
貴方が原因とも言えない…
「よし!元気ない美鈴さんの為に今からゲームセンターに行こう!」
「いっ今から!?もう三時ですよ?」
「へーきへーき!下降りてて!送りの時降ろした場所まで行くから!」

よく解らないうちに乗せられてしまったみたいだ。
私は言われるがまま下に降りて待っていた。

「お疲れ〜乗りな」
「はっはい!お邪魔します…」
「初デート?これ。」
「えっああ!なんですか?」

何を言っていいか解らなくてオウム返し状態だ…
いや、本当は聞きたい事があるのは解ってる。
告白受けたんですか…?

「着いた!ここのゲーセン良くとれるんだ!」

車を止めて、慣れた感じで店に入る。
ゲーセンなんて行くんだ…山下さん。

…三時だと言うのに中は人がかなりいた。
みんな若いのね…

「あっかわいい〜」

白と黒のクマのぬいぐるみが仲良く並んでいて、こっちを見ていた…
私の家に来たいと訴えている!

よし!
私はお金を入れ、クレーンを動かす…


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