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「本気の恋。はじめました。」
【大人 恋愛小説】

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「本気の恋。はじめました。(下)」-1

「すき…になりました。」「なっ何冗談いってるんですか?」

あまりに戸惑ってしまい、言葉がうまく出てこない…
「冗談でいちいち電話するか?」
「だって…キャバ嬢嫌いなんでしょ?」
「嫌いだよ」
「わたしっ…今…キャバ嬢ですけど…」
「美鈴は特別。…いや、俺もわかんないんだ。ただ好きって気持ちが解ったら行動してた。」
「でもっ私達付き合ったら罰金ですよ?」

そう、私達社交員と男子スタッフの恋愛は厳禁…
うちでは罰金400万が発生するのだ。

「ばれたら…でしょ?」
「まぁ、そうですけど…」「美鈴はこの仕事、続けるの?」
「いや、近いうち辞めますよ…そのつもりです。」

これは本音だ。
最近は特に疲れてそろそろ潮時かと思ってる。

「俺は今月で辞めるんだ」「え?」
「もともと友達がやってるバイトで、留学の為半年間限定で働くって契約…あ、美鈴は最近入ったから知らないのか。田中って奴」

だから、キャバ嫌いなのにやってたのか。

「世話になってる奴だったし。でも今月でおしまい。俺、昼の仕事もやってるしさ。」
「え?」
「サラリーマンよ?まぁバイト本当はしちゃいけないんだけどね」

なんてタフボーイ…

「でも最後の最後で恋しちゃったわけ。」
「私はまだ…山下さんの事よく知りません…だから、少し考えさせて下さい。」
正直山下さんを気に掛ける自分に気付いてもいた。
でも色々ありすぎて…
全て受けとめられる自信が無かった。

「うん。俺が辞めるまでに返事くれればいいから…」「はい…」
「あ!遊びには誘っていい?」
「あっはい!それは是非…」
「じゃあさ、本名教えて?」

思わず笑ってしまった。

「そっか。源氏名ですもんね!…橋野彩です。きょうのあや。」
「本名も源氏名っぽいな」
二人とも笑いながらその日は連絡先を教えあって、電話を切った…
私は混乱とドキドキと…色々あって眠れなかった。

山下さんが辞めるまで、一週間をきっていた…



「おはようございまーす」「おはよう美鈴ちゃーん」
鈴木さんは今日も元気だ。
「おはよ」

山下さんは少し笑顔を見せて挨拶してくれた…
その顔を見るとドキドキしてしまう自分がいる。
昨日の今日だからかな?


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